【9割が外国人】住宅屋がつくった「常識破りのホテル」が大ヒット
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星野リゾートの運営特化もそうですが、日本のホテル業界は(その長い旅館文化のせいもあり)色々変えることでまだまだできることがあるという一例ですね。特にECが普通になってくる中、知名度よりも顧客の付けた星の数の方が重要になってくることは新規参入にはとても有利なのではないでしょうか。
ちなみに多くの人は「分析して、考えて」変わるのではなく、「見て、感じて」変わります(出典『スイッチ』)。昨日はガラパゴスが観光コンテンツになる事例を紹介しました。今日はインバウンド特化の成功事例です。外国人観光客、特に家族・グループ向けに都市部で広い部屋に特化しているアパートメントホテルの先駆者「MIMARU(ミマル)」の事例を紹介します。
旅館は1、2泊のエンタメとして楽しいはずですが、和室や布団に慣れない海外観光客からしたらずっと泊まるにはちょっと疲れる。1週間程度日本に滞在する中で、メインはホテルに泊まります。あと、せっかく家族連れで旅行に来たのに、親子で別々のホテルの部屋に泊まるのは面倒なので、2ベッドルームはインバウンド客のニーズに刺さりまくってます。トリップアドバイザーの口コミが5点満点の施設も。
そんな大ヒットしているホテルの「MIMARU」ですが、食事サービス無し、大浴場なし、レストランなしという、日本のホテルの常識では考えられない特徴があります。どうやってゼロから立ち上げたのか、幹部2人にお話をお伺いしました。苦労も多そうですが、最高に楽しそう。一部割愛しましたが、当時の社長の理解と決断も新規事業の支えになっていたようです。新規事業立ち上げには経営者のサポートも大切です。
ちなみに、新規事業を立ち上げたコスモスイニシア(旧リクルートコスモス)のvalueには、リクルートの旧社訓「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」の文言が入っています。
リクルート創業者で「起業の天才」の江副(えぞえ)浩正さんの遺伝子を感じました。おもしろいインタビューです。ぜひ、ご覧下さい。これは知りませんでした!今までも何度となく日本へ旅行へ行かれる4人以上のブラジル人ご家族の方々から、日本でオススメの広い宿はないかと聞かれてきましたが、Airbnbでも数が圧倒的に少なくて苦労していました。一定以上の富裕層はラグジュアリーホテルのスイートなどに宿泊されますが、そこまで出せないよという方々(むしろそっちの方がパイは大きい)にドンピシャでハマる事業展開ですね。これからはMIMARUも紹介したいと思います。
ところでブラジルですが、そもそも1年のうち30日間は有給休暇を取得する義務があるため、他の国と同様に家族全員で旅行をするというのが当たり前の習慣です。それに伴ったAirbnb以外の代替オプションは山程あります。
一般的なホテルのような図体の大きな事業をするのではなく、まさにMIMARUがやられているような必要最低限のサービスを提供してコストを下げる運営会社がここ5年ほどで相当増えており、むしろその点では日本よりも相当進んでいるというのが実感です。
グローバルホテルチェーンのいくつかの部屋をタイムシェアして貸し出すなどは以前からありましたが、最近では、各部屋でテーマを決めてインテリアをデザインし、意匠的にも優れた部屋を敢えて作りデザインにうるさいブラジル人へ訴求したり、多様なオプションが出て来ています。空間の作り手としては、こんな家具や仕上げをここに使っていいの?というほど贅沢なんですが価格はそこまで高くない、という中々謎なビジネスモデルではあります。^ ^いずれにしても次にどんな宿泊施設が出てくるか楽しみです。