(ブルームバーグ): 電気自動車(EV)メーカーの米テスラの4-6月(第2四半期)決算では、利益がウォール街のアナリスト予想を下回った。同社は年初から販売低迷や大規模人員削減で揺れており、低調な業績が続いた。

イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は自動運転タクシー「ロボタクシー」の発表を当初の予定より2カ月遅れの10月10日に延期したことも明らかにした。デザイン変更を取り入れるためだとした。

23日の発表資料によれば、調整後1株利益は52セントで、アナリスト予想平均の60セントに届かなかった。1株利益が市場予想を下回ったのは4四半期連続。売上高は255億ドル(約4兆円)に増加し、アナリスト予想の246億ドルを上回った。

テスラは引き続きコスト削減に重点を置くとし、2024年の納車台数の伸び率は前年より「著しく低くなる」見通しをあらためて示した。消費者心理の改善と融資の優遇措置により販売台数は回復しているが、次の成長の波を促進するのは自動運転技術の進歩と新製品の導入だろうと指摘した。

決算発表後の米株式市場時間外取引では、テスラ株は米東部時間午後6時9分(日本時間24日午前7時9分)時点で7%安。

テスラは4-6月期の納車台数を発表済みで、アナリスト予想を上回ったため株価が急伸していた。納車台数は前年同期比で減少したものの、1-3月(第1四半期)からは改善した。売れ行き改善の一因となった一連の値下げは利益率を押し下げた。投資家の注目指標である自動車部門の粗利益率は(規制クレジット除く)は4-6月期は14.6%で、1-3月期の16.4%から低下した。

同社は7-9月(第3四半期)の自動車生産が4-6月期よりも増える見通しを示した。さらに、新モデルのサイバートラックは年内に黒字化する方向。低価格車の計画も前進しており、25年前半に生産開始の見込み。

マスク氏はアナリストや投資家向けの電話会見で、ロボタクシーがヒューマノイドロボット「オプティマス」と同様、テキサス州オースティンにある工場で製造されると述べた。メキシコに建設予定の車両組み立て施設はまだ休止中で、少なくとも11月の米大統領選挙が終わるまでは計画は進まないとした。マスク氏が最近支持した共和党大統領候補のドナルド・トランプ氏がメキシコ製品に重い関税を課すと話していることから、「実際にそうなればメキシコに多くの投資をする意味はない」と説明した。

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原題:Tesla’s Profit Falls Short Again in a Weakened EV Market (3)、Tesla Delays Robotaxi Event by Two Months to Oct. 10 (抜粋)

 

(マスク氏のコメントを追加し株価を更新します)

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