2024/7/23

【直撃】異例の5000億円規模。「大企業改革ファンド」の正体

NewsPicks 副編集長
2024年、日本に投資マネーが殺到している。
株価や業績はまだまだ伸びる――。
「物言う株主」とも呼ばれるアクティビストファンド。経営や財務、ガバナンスについて改善策を提案し、株価を上げて利益を得る。
彼らの日本企業への年間投資額は10兆円を超えようとしている。
成長余地の大きい上場企業を買収し、事業をテコ入れして再び上場させる手法を取るのが、プライベート・エクイティ(PE、未上場株)ファンドだ。
ベイン・キャピタルやKKR、カーライル・グループといったアメリカの大手が、続々と日本での投資を広げている。
Photo: Ca-ssis / iStock
そんな活況の日本市場に、アクティビストでも、PEファンドでもないプレイヤーが登場した。
その名も「ジャパン・アクティベーション・キャピタル」。上場する日本の大企業に出資し、長期の改革を促す。
立ち上げたのは、カーライル日本法人で副代表を務めた大塚博行氏。幹部やアドバイザーには、大企業の現役経営陣やその経験者らがズラリと並ぶ。
しかもいきなり5000億円という巨額を集めようとしているのだ。新設ファンドとしては異例の規模である。
「グッドカンパニーではなく、ベストカンパニーを作りたい」(大塚氏)
ありそうでなかった投資ファンドの正体を探る。
INDEX
  • 世界でも異例の4ケタ億円規模
  • 大企業にブレイクスルーを
  • アクティビストとはここが違う
  • 「グッド」より「ベスト」を目指せ
  • 「変革意思」はありますか?
  • ずば抜けた経歴のアドバイザーたち

世界でも異例の4ケタ億円規模

ジャパン・アクティベーション・キャピタル(JAC)は、2024年4月に第1号となるファンドを始動させた。