2024/7/23
【超逆転】観光バブルで「オフラインの復権」が始まった
ここまで「オフライン」の小売ビジネスが復権するとは、誰が予想できただろうか。
コロナ前と比較して取扱高は実に1.7倍。AIを筆頭にテクノロジー全盛の時代にあって、ショッピングセンターの快進撃が止まらない。
東京・銀座に立地する、ラグジュアリーブランドが集まる「GINZA SIX(ギンザシックス)」だ。
成長の鍵はインバウンド。コロナ禍に苦しんだ施設だが、ここにきて国内外の若年富裕層からの熱烈な支持を受けて復活した。
果たして、何が若年富裕層を引きつけるのか。訪日客をいかに取り込んだのか。
ギンザシックスの復活劇から、インバウンド消費とオフライン復権の逆転トレンドを理解する。
INDEX
- 自動車を「超える」日
- 取扱高は「過去最高の1.7倍」
- やっぱり「銀座」が強い理由
- 「アート」は最強の集客ツール
- 「フランス」規模を目指せる
自動車を「超える」日
──東京には訪日客があふれていて、インバウンドの勢いを感じます。小売業も軒並み、絶好調ですね。
近藤 いやもう、ものすごいことになっていますよね。
インバウンドに関して言えば、大前提として、飛行機がたくさんの訪日客を運んできてくれれば、それだけたくさん売れますよ。
今、訪日客は月間300万人で年間3600万人、コロナ前を超えようとしている。でも、まだ中国人の方が戻っていなくてこの数字ですから。
3月に中国とタイの間でビザ相互免除がスタートしたことで、中国のボリューム層がタイを訪れています。いずれ日本も解除されれば、年間1000万人増えると言われている。
つまり、すぐに訪日客は5000万人を超えると思います。
──5000万人というと、世界有数の観光大国ですね。
近藤 インバウンドの強みは、地方でも成り立つところ。食事を作ったり、ホテルを経営したりというのは、特定の拠点で広がると他に波及しにくい製造業とは異なります。
だから、製造業メインで特定地域に偏りがちだった製造業メインの産業構造を変え得る力を持っている。地方も自らの努力で呼び込めます。
やり方によっては、65歳以上の方にも働いてもらえるでしょう。年金をもらいながらお小遣いがもらえて、孫にいっぱいお小遣いをあげて循環させる。そんな日本経済を刺激する可能性を秘めています。
私は、将来的には自動車産業を超えるインパクトがあると思っています。