【トップ直撃】パナソニック、車載電池の誤算と勝算
- 新たに2つの「製造拠点」
- 「補助金」あっての営業利益
- 国内工場の「誤算」
- ギガファクトリー最大の「反省」
- 「生成AI」がもたらしたチャンス
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テスラへの電池供給を足がかりに、アメリカ市場を開拓してきたパナソニック。アメリカのEV普及策で日本国内の工場が苦戦するなど、誤算もあったといいます。
米バイデン大統領は太っ腹な補助金でEV普及策を打ち出してきましたが、トランプ氏が勝利すればそれが覆される可能性があります。
中韓が台頭し競争が激化する中、彼らはどこに勝算を見出しているのか。トップを直撃しました。
PECの車載電池は、製品と顧客の両面で依存度が高い事業構成になってます。
すなわち、製品は2170円筒型セルで、顧客はテスラ。
そこで製品軸は変えずに、顧客(ルーシッドやマツダなど)を増やそうとしておりました。これはテスラ向けの利益率が悪い為(公開はされていないですが、テスラ向けの車載電池の利益は微々たるものというのが定説)です。
方や中国や韓国の競合に目を向けると、CATLやBYDはLFP角型バッテリーで既にテスラに食い込んでおり、LGESはLFPを含む全方位セルをラインナップして既存OEMを開拓しております。
そこで、PECはデータセンター向けの電源に活路を見出そうとしておりますが、デファクトの鉛蓄電池は撤退しました。次世代電池としてAI半導体向けに、高電流対応のナトリウムイオン電池のNatronやスーパーキャパシタの武蔵エナジーソリューションズなどが有り、PECの車載用電池をそのまま転用するにも、新たな訴求ポイントが必要になってきています。
ネヴァダのギガファクトリーの償却費による赤字が続いたことが、悪い記憶としてパナソニックの電池事業に残っており、IRAで解決して北米に積極展開する矢先で確トラの様相を呈しており、PECとしては戦略を再構築する必要に迫られている状況だと思います。
ここのところパナソニックで良い話を聞かないですね。トランプ施策の方向性とトランプを支持したイーロン・マスクとの関係はどう捉えたら良いのでしょうか。
他方、国内工場が足を引っ張っている中で、工場を閉鎖するのではなく、マツダとスバル向けの供給拠点へと転換するとのこと。
ここに勝算はあるのか。アメリカに輸出しても補助金がつかなければ勝てないもの。詳しいことは知りませんが、そもそも構造的に限界利益割れしているものなのでしょう。ならば、マツダとスバルに供給して黒字化できるとは思えない。
同社の判断を曖昧にさせる要因はサンクコストでしょうか。よく分かりませんが、こういった方向性に同社のポートフォリオマネジメントの弱さが滲み出ていると感じました。
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