フライトもホテルも収益減… パリ五輪の「経済効果」は期待外れな結果に? | 経済の活性化を掲げてきたけれど…
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既存施設を使い建設コストが低いかわりに、都心の交通や警備など管理コストが高くなる。かえって観光客が減る予測もある。パリは今後の五輪と都市の関わりを決定する機会になりそう。競技以上に注目します。
会場整備でいえば新築された恒久施設はバスケと水泳のスタジアムが1棟ずつで、何よりメインスタジアムは既存のStade de Franceで新築も改築もしなかったのは大きな違いです。
大会期間の交通の混乱に関しては、市内の既存施設の利用に加えて仮設会場の設置場所の影響が大きいと思います。
まず今回の大会では主要競技の多くをパリ20区内に詰め込みました。サイズ的には東京の山手線の内側といったところで、その中の馴染みのある施設や公園が会場になっています。
そして例えばブレイキンやスケボ等の会場になるコンコルド広場は市内の道路交通の要衝です。東京で例えれば、渋谷の交差点を歩行者天国化してブレイキンやスケボ等の競技を実施するイメージ?
楽しそうですが、このためにコンコルド広場の道路交通は6月はじめから9月終わりまで実に4ヶ月近く閉鎖されます。その他にも幾つかの橋とその周辺が大会前後は閉鎖されます。
元々コンコルドはツールドフランス等のイベントで閉鎖されますし、そこから始まるシャンゼリゼ通りも歩行者天国化するイベントは年々増えています。これらは市内から自動車を閉め出すイダルゴ市政の長年の方針に沿っているわけですが、それでも何ヶ月もコンコルドを閉鎖するのは異例。
そんなわけで、大きな大会を市民生活の空間に埋め込むように開催するとこんな混乱が起こるわけです。ただある意味でパリ大会はこれを意図的に行ったわけで、他の狭い都市で同じ事を試みても似た問題は起こるはずです。大会会場と市民生活の空間の融合とゾーニングのバランスの問題は今後も試行錯誤されるのではないでしょうか。