(ブルームバーグ): 米マイクロソフトのオンラインサービスで生じた問題で世界規模で異常な障害が連鎖的に発生した中、日本でも19日に空港や企業でシステム障害が相次いだ。
成田国際空港は同日、同空港を利用する一部の航空会社でシステムトラブルが発生し、遅延が発生していることを明らかにした。
成田空港の広報担当者によると、影響が出ているのは豪カンタス航空と香港エクスプレスなど。日本航空(JAL)の広報担当者によると、午後2時過ぎから公式サイトなどでシステム障害が発生。国際線の予約や変更ができず、国内線の予約でも一部不具合が生じているという。
JALが出資する格安航空会社であるジェットスター・ジャパンの広報担当者はシステム障害が起きていると明らかにした上で、運航への影響は確認中とした。ANAホールディングスは現時点で影響が出ていないとした。
インターネットの障害などを調べるダウンディクテーターによると、NTT東日本の障害は19日午後に急増。NTTの広報担当者は今何が起きているのか、何が原因なのか状況を確認していると述べ、それ以上のコメントは控えるとした。KDDIとソフトバンクは影響が出ていないとした。
米マイクロソフトが自社のオンラインサービス全体に障害を生じたことを報告し、米国からアジア、欧州にかけて異常な障害が連鎖的に発生。一連の技術的な不具合で航空会社や銀行、ロンドン証券取引所でサービスを中断させた。
米連邦航空局(FAA)航空管制システム指令センターによると、ユナイテッド航空とアメリカン航空、デルタ航空は全便の運航を停止した。ロンドン証券取引所を運営するLSEグループは、世界的な技術的問題が発生し、情報公開ができなくなっていると発表。国内企業で相次いだ不具合も関連がある可能性がある。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)ではソフトウエア障害の影響でチケット販売に時間を要しているという。三洋堂書店でもネットワーク障害で、一部店舗で販売や買い取りができない場合があるとしている。また、任天堂はウェブサイトで公式オンラインストア「ニンテンドーeショップ」で障害が発生していることを明らかにした。
一方、トヨタ自動車は、現時点で影響を確認していない。オリエンタルランドが運営するディズニーランドなどの施設のほか、三菱UFJ銀行など大手3行や日本取引所グループでも障害は現時点で確認されていない。
東京電力ホールディングスや東京ガスなどインフラ系でも障害は確認されておらず、コンビニ大手のセブンイレブン店舗のレジやセブン銀行でも影響はないという。
IT関連のシステムも手掛ける日立製作所は社内では問題は発生しておらず、同社が提供しているシステムが今回の問題の影響で止まったという情報も今のところないとした。
国内ではX(旧ツイッター)上で、マイクロソフトのウィンドウズパソコンの画面が青くなって動かなくなる「ブルースクリーン」やシステム障害といった単語がトレンド入りしている。
関連記事:日米欧でオンライン障害、セキュリティーソフトで問題との報道 (2)
--取材協力:古川有希、エディ・ダン、田村康剛、稲島剛史、照喜納明美.
(情報を追加して更新します)
More stories like this are available on bloomberg.com
©2024 Bloomberg L.P.