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新紙幣、企業の35.1%が「日本経済にプラスの影響」 規模別で差

毎日新聞
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  • 辛坊 正記
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    (株)TOASU特別研究員(経済評論家・コンサルタント)

    個別の企業が儲かるか損するかは、券売機等を売って稼ぐ側にいるか、機械の入れ替え等で損する側にいるかではっきり分かれるでしょうけれど、日本経済全体にとっては、短期的にはGDPを押し上げますが、中長期的には日本を衰退に追い込む愚行であるように感じます。

    偽造防止と偽造防止技術維持のため20年に一度行うとされる新紙幣への切り替えですが、国立印刷局によると、紙幣の流通量に対する偽札の割合はドルの638分の1、ユーロの216分の1で、しかも偽札の多くは聖徳太子など過去のお札であるそうです。そういう意味で、いま、偽造防止を目的に新紙幣を出す意味は無いように思います。

    新紙幣を出せば新しい券売機等への需要と生産が生まれますから短期的にはGDPが増えますが、それに使われる労働力は、偽造防止といった経済効果が無い限り、夜通し穴を掘って朝埋め戻すのと同じ無駄な作業です。失業者が溢れている状況下なら穴を掘って埋める作業で政府が給料を払って需要を喚起することも意味を持ちますが、労働力不足が激しい我が国で、こういう無駄な作業に貴重な労働力を費やすのは愚の骨頂。それ自体が価値を持つ製品・サービスや技術を生み出すことに労働力を回す方が、日本を豊かにする上で有効です。

    偽札がほとんどない中での新紙幣発行に敢えて経済的な価値を認めるなら、脱税目的のタンス預金の炙り出しかもしれません。現に、相続税の基礎控除額を減らす話が出始めたころから1万円札の流通量が急伸し、新紙幣が話題に上り始めたころから減り始め減り始めていますから。しかしこれとても、異次元緩和で金利がゼロになってタンス預金のコストが下がったことと、金利が上がる可能性が出て来た影響もありそうです。新紙幣が出たからといって、福沢諭吉の札が使えなくなるわけではありませんからね。

    結局のところ、敢えて20年に一度に拘って新札を出すのは、人生懸けてお札の技術を磨き続けて来た公務員、準公務員を失職させず、役所を含む関係者が”慣例に従って“うまい汁”を吸うためといった側面が大きいんじゃないのかな・・・ 慣例に拘って無駄な作業を疑問も抱かず続けるようじゃ、日本経済が中長期的に発展する筈がありません。日本の停滞の裏に潜む悪しき習性の一つであるように私は思います。 f(^^;


  • 永濱 利廣
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    第一生命経済研究所 首席エコノミスト

    日本経済にプラス云々というよりも、偽造防止目的で20年に一度の定例イベントに過ぎないと思います。


  • 小林 大輝
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    UnitePartners株式会社 代表取締役・戦略コンサルタント

    「新しいものを使ってみたい」という物珍しさで一時的にプラスになる可能性はあるものの、長くは続かないだろう。(一発屋の芸人の如く・・・・)
    個人的には「新紙幣に変わる」というイベントをフックにして、キャッシュレス化の推進など購買の体験価値を高めていく動きが加速することを期待します。


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