【傑作14選】マンガ史が学べる「不朽の名作」たち
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毎日1000以上のコミックスが刊行される日本語マンガですが、その中から、100万冊の内の1冊が、100年後も広く読まれる古典として峻別される、という過程は必ず起きます。
どれが古典になるのか、というのは、まず予測できません。
芥川賞をもらったくらいでは、10年後も広く読まれている保障にはなりません。
ノーベル賞文学賞ですらあてになりません。川端康成が、現在の高校生や大学生に広く読まれているといえるでしょうか。
まだ三島由紀夫の方が読まれ続けるかもしれません。
夏目漱石はともかく、森鴎外は読まれなくなるでしょう。芥川龍之介も無理でしょう。
ことによると、22世紀でも広く読まれているのは、太宰治だけかもしれません。
あてになる指標があるとしたら、累計1億部以上売れているか、の方があてになりますが、その中でも100年後広く読まれるのは20%がいいところでしょう。
マンガの発展に独創的な貢献をした、という作品はあります。それがたぶん、一番確実な指標ですが、何が独創的か決めるのは後世です。
まさかゴッホの絵画が100年後もこれだけ世界に普及していると予想できた人は、彼の存命中は皆無でした。
いわくいいがたいのですが、100年後の人間も否応なく圧倒されるパワーを持つ作品、これが古典になります。
手塚治虫は、小器用な人ではありますが、現代日本のマンガとアニメの基礎をつくった人なので、名前が忘れられることはないでしょう。作品として1つなら『火の鳥』でしょうが、案外、『どろろ』とか『奇子』が残るかもしれません。
マンガ発展史には位置づけにくい、独自の、しかし、圧倒的なパワーのある作品というのはあって、それらは残る可能性が高いです。
たとえば、水木しげるですね。
他に白土三平や大島弓子も残るかもしれません。
100年後の人間も確実に圧倒されるであろうパワーを持つ作品というのはそうはないもので、現役の中だと、荒川弘や森薫は、今後の作品次第では残るかもしれません。
そういう作品をつくる人間というのは、だいたい已むに已まれぬエネルギーを内面に抱えていて、同時にそれを作品としてかたちにする才能と努力を併せ持っていますが、そうはいません。順当な10人です。浦沢直樹さんに授業に来てもらった時、手塚から大友に至るマンガ史を語り、マンガの系譜を知れと話されました。マンガにしろ映画にしろ音楽にしろ、ネット世代はいつの時代の名作も得られるので、系譜や体系を気にせずリコメンドのまま楽しんでいる。いいね。でも系譜や体系の幹を知ると楽しみが深まります。そういうのを学校教育に入れてほしい。
なぜ日本において、マンガは子ども向けの娯楽から独自文化に成熟し、海外に多数のファンたちを抱える「アートワーク」「社会描写」「エンターテイメント」になったのか。その謎をひもとくため、漫画評論家の夏目房之介さんに、伝説の作家10人を軸にして、歴史を解説してもらいました。
いまやマンガはMANGAであり、日本のコンテンツ産業の源泉でもあるわけです。その背景理解は、ビジネス的な視点で欠かせないものであり、いわば「ビジネスパーソンの教養」とも言えるでしょう。それを最短距離で理解するためのガイドブックとしてお届けします。
そして無論、日本人として読まないともったいないほど、素晴らしい名作たちでもあります。