2024/7/24

【読書】知られざる「疲労とウイルス」の意外な関係

NewsPicks編集部
NewsPicks編集部が、本の要約サイト「フライヤー」とコラボし、話題の書籍の要約をお届けする連載「10分読書」。
今回は『疲労とはなにか』(講談社)をお届けする。
ぜひ、日常のひとときで新たな知識を手に入れてほしい。(4982文字)
(写真:Aleksei Morozov / Gettyimages)
INDEX
  • 🧪「疲労」を科学する
  • 🔎 ウイルスで疲労を解き明かす
  • 🧬 疲労と細胞のメカニズム
  • 😑 うつ病と疲労

🧪「疲労」を科学する

なぜ疲労を研究するのか
疲労の研究が一番進んでいる国は日本である。
これはある意味事実だが、世界における疲労研究が遅れているとも言い換えられる。日本では過労死が社会問題化し、疲労に対しては高い関心が持たれている。
一方、欧米では疲れているのに働くのは「自己管理ができていない」と解釈され、疲労は医学的には重要視されてこなかった。
しかし、欧米にならって疲労の研究をおろそかにしていいわけではない。「過労死」と言っているが、この原因で一番多いのは、うつ病による自殺である
こう聞くとゾッとしないだろうか。それから、世界的な問題となっている新型コロナウイルスの後遺症における最大の問題は疲労にあると考えられている。
その人の人生を変えてしまうほど脳の機能に重要な影響を与える。これが疲労のおそろしいところといえるだろう。
(写真:azatvaleev / Gettyimages)
「疲労」と「疲労感」