トランプ氏を共和党の大統領候補に正式指名、副大統領候補にバンス氏
AI要約
- 1米共和党全国大会でトランプ前大統領が大統領候補に指名された
- 2トランプ氏はバンス上院議員を副大統領候補に選び、彼はポピュリスト的政策を掲げる共和党の新星である
- 3バイデン大統領はバンス氏をトランプ氏のクローンだと批判し、バンス氏は共和党の世代交代の可能性を示す
コメント
注目のコメント
「ヒルビリー・エレジー」を、出版時に読みました。
それまであまりうまく言語化されていなかった「ラストベルトに生きる人たちのリアルや鬱屈」を、その内側から鮮明に描き出し、「(以前からあった)社会問題」に、くっきりとした輪郭を与えたと感じました。
ラストベルトの問題は理解していたつもりでありましたが、「ああ、そうか。彼らは、こういう風に生きてきて、こう感じてきていたのだな」と理解が格段に深まりました。
バンス氏は、当初はトランプ氏に批判的でしたが、上院議員に転身後、態度を一変させました。私は、議員への転身も意外でしたが、「作家」というのは、確固たる自己の信念に基づいて活動するものだと思っていたので、転向にも少し驚きました。
バンス氏は、白人労働者階級の体現者として、トランプ氏の熱狂的支持者に、まさにフィットします。ただ、厳密に言うと、イェール・ロースクールを卒業してVCの経営者になっているので、同一ではないわけですが、荒廃した家庭環境で育ったことなど、広く共感と支持を得られるのだと思います。その意味では、NYの富裕な家庭で育った富豪のトランプ氏を補完できる存在でもあります。
今後トランプ氏に代わって、先鋭的な発言を繰り広げる役割を果たすと思われます。バンス氏は、米連邦襲撃事件について肯定的、ウクライナ支援に批判的であるなど、まさに米国第一主義を主張しており、国際社会にとっては、懸念もあるところです。何点か、関連記事から引用します。
●トランプ氏はSNSで、海兵隊勤務やビジネス界での経験などバンス氏の経歴を挙げ「副大統領の地位に最もふさわしい人物と判断した」と指摘。バンス氏には、中西部の「労働者と農家」に重点を置く選挙戦を任せる考えを示した。
時事通信「トランプ氏を正式指名=副大統領候補にバンス氏―米共和党大会開幕」
https://sp.m.jiji.com/article/show/3285829
●トランプ氏の長男ジュニア氏と親しい間柄で、指名にはジュニア氏からの強い後押しがあったと指摘される。トランプ氏としては、自身の路線を継承する次世代のリーダーとしてバンス氏を育てる考えもありそうだ
産経「トランプ氏、共和副大統領候補にバンス上院議員指名 路線継承も視野」
https://www.sankei.com/article/20240716-O63CJVX4MJICHHYBVSJVGFP3IM/
トランプ前大統領は、政権当時、家族の意見をよく尊重していたとも報道されています。今回、ジュニア氏からの強い推薦があったことは興味深いですね。
なお、ペイパルマフィアとして有名なピーター・ティールは、バンス氏が上院選に出馬するために設立された政治活動団体「プロジェクト・オハイオ・バリュー」に1000万ドルを寄付した経緯があります。
リバタリアンであるティールと、民主派・ポピュリストとしてのバンス氏が近いことを示しています。
●フォーブス「ピーター・ティールが支援の共和党J.D.ヴァンスが上院選で勝利」
https://forbesjapan.com/articles/detail/5184339歳。ベストセラー『ヒルビリー・エレジー』の著者。
『ヒルビリー・エレジー』は、単なる自伝ではなく、米国の地方と農家が抱える課題を鋭く描いたことで評価されました。
32歳でこのベストセラーを出版したヴァンスは、そこで描かれた社会問題を解決するためにNPOを立ち上げるなど、社会活動に邁進していきました。
37歳で上院議員に当選。ピーター・ティールが1000万ドルの政治献金をしたことが有利に働きました。
理論家的側面が明らかに強いですが、理論を実践に移そうとしてきた経歴もあります。
ヴァンス氏は、中絶、同性婚、不法移民、脱炭素には反対。
ただし、彼の関心はあくまで米国第一、それも製造業と農業に従事する白人にあります。
そして、外国のことに米国が関与するのは減らすべきだという主張です。ウクライナがどうなろうと、米国への優先順位は低いと公言しています。
あくまで米国内のことにこだわり、出生率とかDVとかについて議論することにも熱心です。
スティーブ・バノンの主張と似ているところが多く、親交もあります。
同時に、若手の企業家たちとの親交も多く、ヴァンス氏を熱心に支援する若い富裕層も多いです。
39歳といえば、トランプ氏の半分であり、副大統領になった場合は、次の大統領を狙うことも十分可能でしょう。
それもこれも、まず当選して、トランプ氏とうまくやっていけたうえでのことですが。