[12日 ロイター] - 12日午前のニューヨーク外国為替市場で、円が対ドルで一時157円30銭まで2円弱急騰し、約1カ月ぶりの高値を付けた。前日に続き、市場では再び政府・日銀による円買い介入観測が広がった。対ユーロでも1円程度上昇した。
この日は米労働省が6月の卸売物価指数を発表した後、158円後半から短時間で値を上げた。同指数が穏やかな上昇だったことから、米国の利下げ観測を後押し。円がドルに対して買われやすい地合いだった。その後も激しく上下している。
市場では「介入らしい動きにみえる」(外銀関係者)との声が聞かれる。こうした値動きが小規模ながら散発的に生じることで「投機筋は疑心暗鬼になってくるのではないか」(同)という。
共同通信などによると、神田真人財務官は記者団に対し、「介入したか申し上げることはない」と述べた。一方的で投機的な変動があったことは無視できないなどと語った。
ほぼ同じタイミングで円はユーロに対しても上昇。172円半ば付近から約2週間ぶりの高値となる171円40銭台に水準を切り上げた。
11日の急騰について、神田財務官は介入の有無を明らかにしていない。日銀が12日に公表した16日の資金需要予測をもとに、市場では3兆円超の円買い介入があったのではないかとの推計が出ている。
財務省は31日に6月27日─7月29日の介入実績を発表する。