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(元コメント)

連載第2回はマイクロファイナンスの金利とグループローンについてです。

ちなみに、マイクロファイナンスが始まりたての国では今もグループローンが主流だったりします。例えばミャンマーではほとんどがグループローンです。というのも、借りたお金を返すといった基本的な規律が立っていない国などでは、まずはグループの返済圧力に依拠してお金を返す癖をつけてもらうことが大切だったりするためです。

他にも色々あるのですが、コメントで何か疑問点が書かれていたら、可能な限り追記してお答えできるようにします。

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回答(カンボジア時間10:41 時点)

1.
>兼業で販売代行するような商社機能を追加すると相乗効果が出るのではないでしょうか?
>簡単審査のイオンのマイクロファイナンスが大流行しています

仰る通り、販売金融は多くの人びとが関心を持っている分野です。仰る通りイオンがバイク購入ローンをカンボジアでやっていますが、融資審査を単純化させすぎたため、延滞率が10%という異常に高い水準になっていたりします(世界平均は3%)。


2.
門田さんのお話されているのは、典型的なROSCA (Rotating Savings and Credit Association)ですね。これはコミュニティ金融として非常に歴史の長いもので、数百年の歴史があります(日本では講、朝鮮半島では契という名前で存在していました)。このあたりの金融については、Stuart Rutherfordの”The Poor and Their Money”(旧版のPDFは無料で入手可能)に詳しいです。


3.
>マイクロファイナンス事業者の債権回収にもやはり代行業者があるのだろうか? それとも一定の返済不能リスクはもはや追いかけない仕組みなのだろうか? 

今のところあまり聞かないですね。社内に不良債権回収チームみたいなものはあります。だいたい、延滞発生後の1ヶ月が勝負で、この期間にきちんとお客さんのところに行って事情の把握、返済計画の作り直しなどを行わないと回収できない可能性が非常に高くなります。国にもよりますが、1年以上回収できなかったローンについては100%引当金計上して、その後返済の見込みがないものは経営会議や取締役会などで減損処理します。このあたりは、普通の金融機関と同じですね。


4.
>国別の具体的な例が聞けたら、嬉しいです。

これは、書き始めたら止まらない質問ですね・・・国別に本質は同じなのですが、個別の仕組みの作り込みに関してはかなり違います。
 一例を挙げましょう。バングラデシュの大手マイクロファイナンス機関であるASAは、非常に効率的なオペレーションで名高いところです。Economics of Microfinanceという業界のスタンダード的な教科書でも、このMFIの名が真っ先にあがります。
 そのASA、色々な国のマイクロファイナンス機関の大株主になり、完璧と自負しているASAメソッドを他国で実践しようとしましたが、結果は今のところ芳しくありません。国ごとに文化の違いが少しずつあり、それに合わせて融資の仕方をカスタマイズする必要があるのでしょう。国によってうまくいくパターンは違う訳で、私自身も他国の事例を参考にしつつも、国が変わる度にUnlearningすることが必要だと感じています。


5.
>(悪徳金融業者について)マイクロファイナンス機関のランキング付けなどで、撲滅できないのでしょうか

日本ですら難しいのですから、途上国での難しさは非常に高いと思います。少なくともできることは、規制当局がきちんと悪徳業者を摘発すること、そのためのキャンペーンをすることだと思いますが、根絶は難しいでしょうね。



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(追加回答:カンボジア時間 午前7時27分。カンボジア人は朝型で、大抵の企業は7時半仕事始めです。そして、これで一旦回答を締切ます。残りの質問は、もう一つの記事に頂けたら可能な限りお答えします)

1.
>30%はカンボジアとはいえ高いとは思うけど、担保の有無も関係するから一概には言えないか。当社の出資先では担保がある前提だけど、30%はとってないし、住宅ローンも10%の国ですし。

うちの出資先のカンボジアのマイクロファイナンス機関の場合、いま年率で25%くらいですね。カンボジアはマイクロファイナンス機関の競争が激しく、どんどん金利が下がっています。預金をとれない場合、マイクロファイナンス機関の調達金利がだいたい10%くらいです。利鞘15%は確かに高いのですが、人件費とか手間を考えるとこれくらいが限界ラインという感じがします。

2.
>マイクロファイナンスの思想自体は非常に賛同しているし、敬意を払った上で、そろそろそのソーシャルインパクトでその是非が判断されるべきでないかな?

まさに仰る通りで、マイクロファイナンスについての記事その2に詳しく書かせて頂きました。


3.
>優雅に暮らすためには、10億くらい必要なのか?

お金がなくても自給自足で優雅に暮らす人はいるし、お金があっても優雅でない人はいますね。


4.
>グループローンが審査時の顧客調査のための時間を減らすとのことですが、全員調べていたら結局時間がかかる気がするのですがどうなのでしょうか?

グループローンでは、マイクロファイナンス機関側がお客さんの調査にかける時間が圧倒的に少なくなります(いちいち村に聴きこみをして噂を集めたりしない)。書類を確認して、結構すぐ融資審査がおります。それは、借手が連帯責任で借りているのなら、ちゃんとした人を連れてきているだろう、という前提があるからですね。

5.
>現在の銀行も、戦前は、無尽講や金貸しだから、そのうち淘汰されて、大きくなれば、結局、銀行や組合のようになって行くのかな?

仰るとおり、大きなマイクロファイナンス機関は地元で銀行となっていっています。一つのメルクマールは、預金取扱金融機関になれるかどうかですね。


6.
>マイクロファイナンスといわゆる卸売業者の関係性とかも説明があると嬉しいです。

答えになっているかどうか分からないですが、卸売業者はたいてい結構大きな企業なのであまりお客さんにならないことが多いですかね。浄水器で水を作っているお客さんとかはいますけれど。
マイクロファイナンスにも様々な種類があり、金融機関ではなくNGOがコーディネートし、住民自身が運営するものもある。

いろんな現場を見てきたが、一つご紹介。

ウガンダのとある現地NGOで行われていた「Village Savings and Loan Associations」は、地域住民の収入向上を目的としたプロジェクト。

まず、NGOが村の住民に帳簿のつけ方やビジネススキルの研修等を行い、その後住民は 30 名程度のグループを組む。グループメンバーで定期的に集まり、お金を貯蓄し、必要に応じてメンバーはそのグループの貯蓄からお金を借りることができる。一人当たり一回のセービングは50円〜数百円程度。溜まったお金から、数千円〜1、2万円程度を一度に借りる。これを必要に応じてメンバーが順番に行っていく。
借りた資金で農業や家畜などのスモールビジネスを行い、収入向上を目指し、数ヶ月後から少しずつ返済する。ビジネスを始めるというより子どもの教育資金や病気の治療のために緊急でお金を借りる人もいる。ここでは300ほどのグループができていた。

この活動は2003年から始まっており、現在はNGOの介入はほとんどなく、住民だけで月に一回集まり、10年以上活動が続いていた。

大きな樹の下に50名ほどの老若男女が集まり、会議を行っていた。
小さな土埃に汚れた金庫を村の人は笑顔で見せてくれた。誇らしいような、笑顔だった。この金庫に大切に大切に、くしゃくしゃのお金がしまわれていた。この金庫は、3つの鍵があり、鍵はそれぞれ別の人が所有している。3人が揃わないと入金も出金もできない仕組みだ。
「このプロジェクトで家を改築した人もいる」「高校を卒業できた子どももいる」。村の人たちがたくさんの変化を教えてくれて、胸が熱くなったことを今でも覚えている。
マイクロファイナンスをしている行員のみなさんの地域把握能力はすごい。
兼業で販売代行するような商社機能を追加すると相乗効果が出るのではないでしょうか?
「五人組」に関して、現在の常識が変わってること知らなかったので、勉強になった。
あと新興国でも携帯が普及してきてる。P2PのLending Clubがアメリカではあるが、ネット・ソーシャルの力で、新興国でのマイクロファイナンスの形が今後大きく変わる可能性もあるのではないだろうか?
マイクロファイナンスについて何も知識がなかったけど、とても分かりやすく書かれている。途上国での金融サービスの難しさ、すごく手間がかかる感じが伝わってくる。ほとんど慈善活動の様にも感じる。
マイクロクレジットの現実も甘くないですね。
審査の甘い「高利貸し」に流れるのを防ぎ、かつ信用をどう担保するか。決して簡単ではないことがよく分かりました。ただ、信用の根幹は人との関係づくりなのかもしれません。
【経済】良記事。マイクロファイナンスについては名称を聞いたことがある程度で、その仕組みや問題点については詳しく知らなかったので非常に勉強になった。実務を行うことで新たな問題も発生し、経済学の理論を応用したりしているという点が興味深い。
《ビジネス》色々現実社会に基づいて説明されていて納得。5人組が地理的な移動の制約で成り立たないって、地域特性的には理解しておかないならないポイント。心理的重圧を与えるために担保を取るという点も実効的。
分かりやすい記事。五人組って、今ではそんなにメジャーではないんだね。
マイクロファイナンスについて、まったく知識がなかったので、すごい勉強になった。