米CPI、6月は前月比0.1%低下-前年比では3%上昇
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前年比では依然として3%上昇してますが、より重要なコア指数の3カ月前比年率を計算すると+2.1%まで低下しましたので、かなりの確度で9月利下げが織り込まれた格好です。
より重要なコアPCEデフレーターが月末に公表されますので、それにも注目でしょう。アメリカの物価上昇が予想よりやや低かったという記事かと思います。
月次の物価比率(Comparative Price Level)をみると、2024年5月の時点でのアメリカ100とした指数が次の通りです。
100 アメリカ
95 イギリス
90 カナダ
80 フランス
79 ドイツ
72 イタリア
67 韓国
66 日本
物価比率 = 購買力平価 ÷ 為替レート
物価比率は物価上昇と為替変動の組み合わせで表現される、物価の国際的な水準と見て取れます。
特に2010年代から、アメリカに対する各国の物価比率が下がり続けています。
2015年を基準(100)とした、消費者物価指数(CPI)を見ると、2023年で次の通りだったようです。
128.6 アメリカ
128.6 イギリス
123.0 ドイツ
119.6 イタリア
117.5 フランス
117.6 韓国
確かにアメリカは物価上昇が高い方ではありますが、それほど突出しているわけではありません。
為替で見れば特にユーロや円に対してドル高が示唆される状況が続いてきたことになりそうです。
金利や国内物価に着目するのはもちろんですが、海外との物価比率のバランスについても注目してみると良いかもしれません。
この物価比率は、「実質為替レート」と類似の傾向を示す指標でもあります。
出典:OECD.Stat食品とエネルギーを除いたコアCPIの前年比上昇率3.3%は、2021年4月以来の低い数字とのことです。6月の失業率も4.1%に上昇しましたし、米国経済は漸く、緩やかに減速している、金融引締めの効果が出てきた、と言える状態になってきました。
FRBにとっても、米国株式・債券市場にとっても、そして今月でもって退任される神田財務官にとっても、嬉しい数字なのではないでしょうか。