2024/7/12
【直撃】あの「セサミン」の会社が絶好調だった
セサミンのテレビ通販でおなじみのサントリーウエルネスが波に乗っている。
最近では男性用オールインワン化粧品「VARON(ヴァロン)」が絶好調で、男性化粧品ブランド「保湿ケアカテゴリー」では昨年の売り上げ1位を奪取した。
中でも特筆すべきなのは、自社商品全体の解約率を下げたことだ。
サブスクサービスは、巨大な広告費を投入して、新規顧客を獲得しても、リピーターを育てるのが難しいのが宿命だ。
いかにして解約率を下げたのか。その裏にはサブスクビジネスの大きなモデル転換があった。
立役者であるサントリーウエルネスの沖中直人社長と山村大常務執行役員を直撃した。
INDEX
- 「この会社はつぶれる」という危機感
- 変われない企業の処方箋
- 変化の痛みをどう乗り越えるか
- 見えてきた成果
- 解約率、3分の1に
- 生配信で「つながり」を創出
- 「販売目的」のアプリにしない
「この会社はつぶれる」という危機感
──売上高が成長し続けている中で、社長に就任されました。そこからビジネスモデルを変えました。なぜでしょう。
沖中 私が社長に就任したのは2020年1月ですが、その時まで19期連続で増収増益でした。
しかし、サントリーウエルネスの強みと課題を理解できなければ、会社の運営は当然できません。
真っ先にやったのが、全従業員を対象にした、新社長への提言の募集でした。他の人には一切見せず、全ての内容を直接、僕が見ました。
集まった提言の中で最も驚いたのは、お客様からの問い合わせなどを受け付けるコンタクトセンターの方たちから上がってきた内容でした。
「サントリーウエルネスの一番の課題は、新規顧客の獲得に偏重したマーケティング戦略である」と。これが複数の人から寄せられました。
僕らは既存のお客様が払ったお金を原資にして、新規獲得のための無料のお試しキャンペーンをやっていますが、既存のお客様からは「続けていることのメリットが非常に少ない」という指摘をいただくんだそうです。
この提言が社員から来なかったことにも驚きました。