2024/7/24
未来を見据えたDX人材育成。内製化成功のカギは「人の育て方」にあり
KDDIアジャイル開発センター株式会社 | NewsPicks Brand Design
「自社のDX人材が上手く育たない」── 。
近年、企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)化は喫緊の課題だ。しかし、DXの掛け声だけで終わってしまい、プロジェクトを実行・成功させる人材が確保できずに苦しんでいる企業担当者も少なくない。
目まぐるしく変化するVUCA時代のビジネス環境へ適応すべく事業スピードをアップさせるためには、自走できるDX人材を自社で育てたいところ。しかし現実の「名ばかりDX」では、単なる技術の習得やツールの導入だけで失敗してしまうケースが後を絶たない。
そんな中、時計メーカー大手のシチズンは、中長期の成長を見据え、機敏さを重視するアジャイル開発を取り入れたDXの内製化を決断。新規事業であるユーザーの健康管理アプリ「Health Scan」の開発を通して、DX人材の育成に成功した。
KDDIアジャイル開発センター(以下、KAG)を開発パートナーに迎え、アジャイル開発を取り入れたDXの伴走支援により、シチズンのアプリ開発のチームはいったいどう変化したのか。DX内製化が最重要課題の時代を生き抜くためのヒントを探る。
近年、企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)化は喫緊の課題だ。しかし、DXの掛け声だけで終わってしまい、プロジェクトを実行・成功させる人材が確保できずに苦しんでいる企業担当者も少なくない。
目まぐるしく変化するVUCA時代のビジネス環境へ適応すべく事業スピードをアップさせるためには、自走できるDX人材を自社で育てたいところ。しかし現実の「名ばかりDX」では、単なる技術の習得やツールの導入だけで失敗してしまうケースが後を絶たない。
そんな中、時計メーカー大手のシチズンは、中長期の成長を見据え、機敏さを重視するアジャイル開発を取り入れたDXの内製化を決断。新規事業であるユーザーの健康管理アプリ「Health Scan」の開発を通して、DX人材の育成に成功した。
KDDIアジャイル開発センター(以下、KAG)を開発パートナーに迎え、アジャイル開発を取り入れたDXの伴走支援により、シチズンのアプリ開発のチームはいったいどう変化したのか。DX内製化が最重要課題の時代を生き抜くためのヒントを探る。
ユーザーニーズの多様化が「DX内製化」を求めた
──現状ではDXを外部ベンダーに頼っている企業がまだまだ多いと思いますが、そもそもなぜ今、DXの内製化が必要なのでしょうか?
山田 スピーディにユーザーの課題を解決したいと考える企業が増えたからです。
ビジネス環境の不確実性が高く、将来の予測が困難なVUCAの時代と言われて久しいですが、最近では生成AIが注目されるなど、技術の進歩も目まぐるしいですよね。そんな激変する環境に適応するには、スピード感を持って事業の意思決定や開発を行うことが必須です。
私たちKAGは企業のDXを支援する立場ですが、「DXをもっと推進したい」「DX人材を社内に抱え、ユーザーの声にスピーディに応えたい」という課題意識を持っているお客様からのご相談が、近年かなり増えていると感じています。
──シチズンはなぜ、DXの内製化を進めようと考えたのでしょうか。
篠﨑 当社もコロナ禍を機により一層、IoT や AI 等のデジタル化や、各国で進展する高齢化社会及びサスティナブル社会など、当社を取り巻く環境変化への対応が必要不可欠と捉えているためです。
私は、過去に社外パートナーとのIoT製品開発、IoTプラットフォームサービスソフトウェアサービスの事業推進を通して、何度かソフトウェア開発(アプリ開発)に携わり、外部ベンダーさんや社外パートナーと開発していました。
しかし、外部ベンダー、社外パートナーと開発を共にする中で、社外パートナー頼りになる部分もあり、また、完成まで時間を要し、スピード感、自律・自走に強い課題を感じていました。それでは現在の多様化したユーザーのニーズに寄り添えず、また、開発スピードを担保できません。
ただし忘れてはならないのは、DXはあくまで手段である点です。そのため、DXを通じて何を実現したいのかがとても重要だと感じています。DX推進の本質は、社会や人々の暮らしをより良くすることですから。
山田 篠﨑さんのおっしゃる通りで、私たちも単にDXやアジャイル開発の導入を支援するだけではなく、そもそもユーザーがどういう課題を抱えているのかという問いを立てることが、すべての起点になります。そこから、デザイン思考などを用いて課題のありかを仮説検証し、どのように課題解決を実現できるのかを考えていきます。
シチズンがDX内製化でぶつかった壁
──DX開発の内製化はどの企業も苦労している印象ですが、シチズンの場合は、内製化の際にどのような「導入の壁」があったのでしょうか?
篠﨑 ほかでもない、アジャイル開発の導入、定着のための内製化そのものが、乗り越えるべき最初の壁でした。というのも、アジャイル開発自体が今まで私たちが経験したものとは異なる開発手法なので、当然、開発メンバーには反発する心理が働きます。また、いきなり内製化を推進しようにも、そもそもエンジニアの数が足りません。
山田 そうですね。やはり必要なスキルを持った社内人材の確保が、内製化の最大の壁だと思います。かといって、すべてを一気に内製化しようとすると、今度は育成に時間を取られて、ビジネスへの貢献や価値創造という最重要指標を達成できなくなってしまいます。
このジレンマを抱えた状態でどう課題解決するか。KAGとしても人材育成とビジネスへの貢献の両立についてこれまで様々な課題に直面してきましたが、その経験から得たノウハウを活用し、お客様のDXをご支援しております。
篠﨑 私たちも、人材育成にパートナーの存在は欠かせないと考えていました。エンジニアには、プログラミングができるだけではなく、外部ベンダーやパートナーと一緒にコミュニケーションを取りながら価値を作り上げられるマネジメントができるようになってもらいたかったからです。
もし開発メンバーを100%内製化してしまうと、技術の蓄積が社内だけに閉じてしまい、ナレッジが広がらない可能性がある。社外から多様な経験やスキルを受け入れることで共に成長しながら開発できる環境の整備とマインドの醸成が重要だと考えていました。そのため、内製化と人材育成の両立は不可分でした。
山田 支援先のお客様からDXのご相談を受ける際は、必ずと言っていいほど人材育成のお悩みを同時に抱えていらっしゃって、「人材育成とDXをセットでどうにかできないか」とご要望をいただくケースが多いです。
1チーム目の成功が組織拡大のカギ
──血圧計や体組成計などシチズンの健康機器とデータ連携できるアプリ「Health Scan」の開発からプロジェクトが発足したそうですが、どのような点を重視して進めたのでしょうか?
篠﨑 設定した目標や課題は多岐にわたります。新規事業であり、初めてアジャイル開発を取り入れた「Health Scan」のプロジェクトは、シチズングループ横断でデジタルヘルスケアの新しいサービスを生み出すことを目指して発足しました。
私は経営企画部として、事業会社の事業活動、目標と同時に、今回の事業会社単独では進めることが難しい新規領域の目標を、中長期的に遠近両方の視点でみる立場にあります。
「Health Scan」のプロジェクトもアプリの完成がゴールではなく、あくまでスタート地点。また、人材育成も目標の一つとして組み込まれていました。達成すべきいくつかの目標の中で、自分たちの力でアジャイル開発を自走できるようになることも必達目標の一つであり、またシチズングループの中にデザイン思考、価値検証、アジャイル開発を導入、浸透することも狙いでした。
開発メンバーが長く自走できるようにならないと、現在のユーザーニーズには柔軟に応えられません。アプリを作ってからの運用も必要です。だから、実案件を通じて人を育てることは必須項目でした。
山田 KAGが伴走型でのご支援を開始したのは2023年の4月からになります。当初から篠﨑さんは、「プロダクト開発を成功させると同時に、人材育成を通じて組織風土を変革する」と、ミッションを掲げていました。
このミッションを達成するには、一チーム目がまず成功体験を得ることが重要です。次にそのチームを二つに分割しながら体制を拡大していくことが組織拡大の成功セオリーでもあります。
つまり、最初のチームは将来分裂していくためのパイロットチームでもあるという位置づけなんです。一チーム目のメンバーが次の第二・第三チームのリーダーを担える青写真を描いて、そこから逆算して必要なスキルを列挙。習得してもらえるように、育成のスキルマップやロードマップの作成をまずは行いました。
その計画に沿って、プロダクト開発と並行しながら勉強会の開催やスキルアップのご支援を実行していったのです。
チームを増やしていく上では、できる人だけで運用・開発していても事業がスケールしません。人材育成は開発の一部だと私たちは捉えています。
篠﨑 アプリ開発の完了だけを目的としていたら、おそらく私とKAGさんのメンバーだけで進めたほうがローンチまで早かったはずですし、コストも抑えられたでしょう。それでも、時間もお金もかけて人材育成を目標の一つに入れたのは、それだけ重要視していたからです。
DXの支援をする側・受ける側が感じたリアル
──しかしノウハウを有するKAGの伴走支援とはいえ、異なる文化を持つ企業のメンバー同士が一緒にプロジェクトを進めていくのは、容易ではなかったのでは?
山田 KAGとしてもっとも意識したことは、シチズンさんのメンバーと同じ価値観を持って動けること。そして、同じチームの一員として確実にバリューを出せること。徹底してここにこだわりました。
単に開発を行うだけではなく、ビジネス価値を生み出すという目的を意識し、自律自走できるチームづくりを目指す必要がありました。そこで、プロダクトの方向性やプロダクトビジョンなどをすり合わせて、あるべき姿を握りました。
──もっとも困難だった点は?
山田 人材育成のゴールをどこに設定するのか、定義づけするのは難しかったですね。1年間というプロジェクトの期間で、一人前のエンジニアになってもらいたいとのご要望を篠﨑さんから受けて、「一人前の定義」など一緒に目標設定して進めていきました。
もちろん、初めてのアジャイル開発の導入でしたから、着地が見えにくかったのも確かです。そこで、当社のエンジニアとシチズンさんのエンジニアの二人ペアでプログラミングを行うペアプロを通じて見えてきた課題を毎週のように話し合い、スキルアップのための施策や勉強会を通じて情報共有し、レベルアップを図っていきました。
篠﨑 アジャイルに挑戦した結果、満足のいくアプリがリリースできないとなれば、周囲からは失敗と捉えられてしまう可能性がありました。人材育成の優先度は高く保ちつつも、開発を優先せざるを得ないのではないかと優先度を変える可能性はつねに意識していたので、その点で苦労しましたね。
山田 アジャイル開発の良い点は、プロダクトやチームの状況をスプリントという短いサイクルでふりかえり、プロセスを継続的に改善していけるところです。いざ始めてみると、想定外の課題が見えてくることもあります。
そこで、数値やデータを常にメンバーと共有し、開発プロセスの中で改善できる点がないかを議論してきました。そうした改善を重ねることで少しずつチーム力が向上し、最終的には当初予定していた開発目標を早期に達成することができました。
篠﨑 私たち支援を受ける側としては、プロダクトに対する想いをKAGさんに伝え、ユーザーにとっての価値を一緒に考えていければいい、と考えていました。
オープンマインドを心がけ、「傷つかないので一切、忖度しないでください、客だからと遠慮しないでください」と伝え、不安なことがあればすぐに山田さんに相談して頼っていました。
現場開発メンバー育成のリアル
──エンジニアの黒川さんは、開発の初期段階から当プロジェクトに参加したそうですが、社外メンバーであるKAGとの協業に何か課題は感じていましたか?
黒川 私は社外の方と一緒に仕事をすることが初めてで、かつアジャイル開発も初めてでしたので、不安は感じていました。ですが、KAGチームの皆さんは、私が感じている不安や悩みが話しやすくなるような雰囲気づくりをしてくださいました。
山田さんには1on1を実施していただくなど、心理的安全性が担保された状態でプロジェクトを進められました。
──プロジェクトを通じて得られたことは何だったのでしょうか?
黒川 自走できるスキルと成功体験ですね。私はもともとフロントエンドのエンジニアで、バックエンドを含めたその他の技術の習得に不安を感じていました。けれど、KAGさんのAWSのスペシャリストが勉強会を開いてくれるなど、フォローしていただきながらナレッジを貯められ、なんとかプロジェクトの目標をクリアできました。
また、KAGのメンバーに、良いチームづくりの方法やアジャイル開発のお手本を見せてもらい体験することで、徐々に自走できるスキルが身につきました。
技術者としていろんなことができるようになっただけでなく、仕事の進め方も学ぶことができました。例えば、上長へどう説明すれば理解してもらえるのか、上司の立場を考えて提案することで話が通しやすくなりましたし、私自身も成長を実感できています。
私はこれまで、開発というのは辛いだけだと思っていました。でもこのプロジェクトを通じて充実感のある中で最後までやりきれたといういちばんの成功体験を得られたし、技術的にも対人的にもできることも増えました。今度は別のメンバーにこの成功体験を分けてあげたいし、社内に還元していきたいです。
篠﨑 このプロジェクトを通じて、成功体験が積めるメンバーが一人でも増えたことで、成功の仕方が理解できるようになったはずです。そうやって仕事の幸福を感じてもらえるメンバーの人材育成でもあったと感じています。
実際に、アプリ開発のあとは各部門をまたいで、シチズンのメンバーがデザイン思考やアジャイル開発の講習会を行ったことからも、それは明らかです。
山田 プロジェクトの後半では、黒川さんから、「エンジニアの目標にこういうスキルセットを入れたほうがいいのではないか」といった自発的なチームへの提案が何度もありました。私としても、メンバー皆の視野も広がっていき、意見を言ってもらえるようにもなり、とても頼もしいと感じていました。
自律自走チームを作る「はじめの一歩」
──これからDXを成功させたい企業へのアドバイスはありますか?
篠﨑 まずは一歩踏み出してやってみることが重要です。確かに、ボトムアップで新規事業を創出したい、グループ横断で進めたい、アジャイル導入を外部パートナーと進めたいと社内で提案をしても、現実にはハードルが高いと思いますし、周囲にはロールモデルや事例がないといった状況の方もいらっしゃるでしょう。
しかし一方で、誰かがやらないといけないとも感じているはずです。私がもしコケたら、次に立ち上がる人はもしかしたら現れないかもしれない。ラストチャンスくらいの気持ちで臨み、プロジェクトのチーム名を、集団の中でリスクを負って最初に海へ飛び込むペンギンに重ねて「ファーストペンギン」と名付けたのも、それが理由です。
そうであれば、少しずつ仲間を増やして、一人一人に思いをぶつけて、一つ一つ泥臭く突破していくしかない。もちろん、DXを推進する組織があり、緊密にサポートしていただけたり、会社の経営方針そのものが背中を押してくれたりなどの条件が整っていた幸運もありました。
── 道なき道を地道に切り拓いていったんですね。
篠﨑 その上で、例えば黒川やメンバーに対しては、チームに参加するメリットを常に伝えていました。
「このプロジェクトを通じて役割を担えるようになるし、これまで受け身だった開発チームも、今後は自らサービスを起こせるようになるかもしれない。チームメンバーがメリットを享受できるような組織運営の方法がある。みんながWin-Winになれる」と意識して伝えていました。
間違いなく私一人では実現できないプロジェクトでしたので、仲間が仲間を増やしていく流れを途絶えさせないように、新しいことを起こしたい人を積極的に支援して見守る。その成功体験が連鎖していくと、会社に活気が出てくるし、挑戦も失敗も糧になると信じていますし、そんな雰囲気の会社になってくれたら嬉しいです。
山田 篠﨑さんとはかなり早い段階からプロジェクトメンバー以外の人も巻き込んで、アジャイルを体験してもらったり、デザインシンキングなどのワークショップに参加してもらったりして、「このやり方はいいね」と賛同してもらえる仲間を増やし、空気感を醸成すべく動いていました。
最初の一チーム目の構築は確かに難しいです。なので、手前味噌にはなりますが、やはりノウハウや実践、失敗の経験を持つパートナー企業と組んで始めるのはいちばん良い選択ではないでしょうか。
開発が上手く進まない場合は決まって、ビジョンの共有ができていません。つまり、チームが同じ方向を向いていないときです。同じ方向を向くには、各メンバーが同じ目線を持てるように、同じビジョンや価値を語れるようになってもらう必要があります。ユーザーへ価値を提供する意味の浸透は、篠﨑さんが中心になって進めてくださいました。
欲しいのは、魚の釣り方
──冒頭の話に戻りますが、改めて、ユーザーへの価値提供がアジャイル開発や内製化の本質なんですね。
山田 そうですね。フロントエンドエンジニアの黒川さんにバックエンドも含め技術を習得してもらったのは、フロントとバックといったように個人が担当できる領域が分かれていると、ユーザーの求める価値に対してエンジニアがフォーカスしづらいと私は考えているからです。エンジニア同士の会話も作業分担の話に終始してしまい、価値の実現に焦点が当たっていないことが多々あります。
そのため、みんながフルスタックエンジニアとしてユーザーストーリーの一部だけではなく全体を担当できるように、技術選定や戦略には気を使いながら、チームを構成していきました。
黒川さんほか開発メンバーは大変だったと思いますが、そこを目指すことでみんなが価値にフォーカスした会話ができるようになります。そのレベルに持っていくためのフォローは惜しみなくご提供しましたし、お互いに意見が言いやすくなる環境づくりに貢献できたと自負しています。
篠﨑 価値という言葉にはいろんな意味が含まれていますが、最終的な目的は、ユーザーの悩みごとを解決することです。それを成し遂げるために必要なのは「思いやり」だと思っています。その意味で、エンジニアである前に人としての思いやりを持ったコミュニケーションが大切である、というメッセージがもっとも伝えたかったことです。
私たちが本当に欲しかったのは、魚や釣具ではなく、魚の釣り方だったということです。
プロジェクトを成功させる唯一のポイント
──DX内製化のプロジェクトを成功させるために必要な条件は何だと思いますか?
篠﨑 真の目的の共有です。この機能やアプリを開発することで、誰かの役に立っている。この目的があって、何かに貢献できているというのが、モチベーションの一つになるのではないでしょうか。
山田 プロジェクトの大きな方針に、なぜ(Why)、何を(What)、どう進めるか(How)があった中で、私も篠﨑さんも、Howについては一度も言及しませんでした。
なぜこういうことをやりたいのか、どうなりたいのかという大きな方向性は示しつつ、それをどうやって実現するのかはエンジニア自身に考えてもらいました。自分で考えるクセがつきますし、対外的にも説明できるようになるためです。
黒川 確かにこれまでは、ユーザーにとってどんなメリットがある機能なのかもわからないまま開発・実装しているような状況がありました。今回のプロジェクトでは、特定のペルソナを設定し、その人のためになろうと開発を行ったのでとてもやる気が出たし、ユーザーがどうやって幸せになるのかも分かるので、開発時のモチベーションにつながりました。
このプロジェクトを通じて、自分らしさを取り戻したというか、いい意味で変わった、成長したと課のみんなから言われるようになりましたし、自分でもそう思います。成長もやりがいも感じられて、プロジェクトが一区切りついたときは嬉しさのあまり感極まって泣いてしまったんです(笑)。
──DXの内製化に興味を持っている企業で、伴走支援がおすすめな企業はどんな企業でしょうか。
篠﨑 アジャイル開発はあくまで手段ですから、目的化しないほうがいいし、すべての企業文化に適合するわけではないと思います。
実現したいことや生み出したい価値は想像できているんだけど、実現する方法が分からない。そんな企業は、いきなり伴走支援を頼むのではなく、まずはデザイン思考やアジャイル開発の講習を受けるなり、1カ月限定で一緒にプロダクトを作ってみる、といった入り方もおすすめです。
そうやってアジャイル開発の本質を知った上で、やはり自社のビジョンを実現するにはアジャイルが必要で最適だと判断したら、KAGさんに一声かければ間違いなく成功体験を得られるでしょう。
山田 アジャイル開発やデザイン思考がフィットするお客様がいらっしゃれば、ぜひご支援させていただきたいです。アジャイル開発が浸透し、もっともっと業界全体が盛り上がっていけばと考えています。
また、開発に着手する前の段階として、どのような領域に着手するか、どのようなサービスを作っていくかといったフェーズについても、サービスデザインという形で支援していますので、これから新しい挑戦をしたいと考えていらっしゃる方はぜひご相談いただきたいなと思います。
編集:花岡郁
執筆:山岸裕一
撮影:吉田和生
デザイン:吉山理沙
執筆:山岸裕一
撮影:吉田和生
デザイン:吉山理沙
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