2024/7/8

【解説】上場相次ぐ宇宙企業。早期の黒字化見通しも

NewsPicks 記者
イーロン・マスク氏が率いる宇宙企業スペースXの企業価値は、2000億ドル(約32兆円)に達している──。
スペースXが売却を検討している発行済み株式の価格から、未公開企業である同社の企業価値が、すでに世界トップクラスの上場企業の時価総額に匹敵する可能性があると、米ブルームバーグ通信が5月に報じた。
32兆円は、例えばマクドナルドやウォルト・ディズニーの時価総額約29兆円を超えている。ちなみにトヨタ自動車は約52兆円だ。(※7月5日時点)
スペースXが上場したら一体どんな価値がつくのだろうか。宇宙企業には夢があるのは確かだ。
日本ではここ1年ほどの間に、3社の宇宙スタートアップがIPO(新規株式公開)を果たした。
6月5日には、宇宙ゴミの除去や人工衛星の寿命延長サービスを目指すアストロスケールが東京証券取引所グロース市場に新規上場。時価総額1000億円を超える堂々たるIPOだ。
上場のセレモニーで記念撮影するアストロスケールの幹部ら(撮影:中居広起)
宇宙企業は急成長する可能性がある一方、これまでにないビジネスモデルであることが多く、ミッションの成否によって、株価が激しく変動しリスクが高いのも事実。
一般の投資家も参加できるようになった今、宇宙企業の成長性とリスクをどう考えるべきか。そして、機関投資家は宇宙企業をどう見ているのか。様々なステークホルダーの証言をもとに、解説する。
INDEX
  • 見直された上場審査
  • 激しい値動き
  • SPAC上場の果てに
  • 黒字の見通しも
  • 公募価格どう決めた?
  • 今後も続くIPO

見直された上場審査

日本の宇宙スタートアップで初めてIPOを果たしたのは、月への物資輸送サービスを目指すispace(アイスペース)だ。