2024/6/14

【現地発】逆風のマクロン大統領が賭けに出た「3つの理由」

NewsPicks 金融ジャーナリスト
環境保護政策を進めてきたリベラル政党の大敗に打ちのめされている。

リベラル政党を支持してきた若い世代が、右派の政党にシフトするとは思ってもみなかった。

──ベルリン在住の男性、ヤン・ヘンドリック・マテスさん(32歳)
6月9日に開票された欧州議会選挙。
フランスの「国民連合」や「ドイツのための選択肢(AfD)」といった「極右政党」が大躍進した一方で、左派政党が大幅に議席を減らし、リベラル派の市民を動揺させている。
EU(欧州連合)をリードする独仏やベルギーの与党も、極右政党の前に大敗した。
こうした「市民からの審判」を受けて、真っ先に動き出したのが仏のマクロン大統領だ。
国民議会(下院)の解散と総選挙実施を9日に表明。6月末から行われる選挙に向けて、極右勢力の台頭は「フランスだけではなく、欧州全体にとっても危険だ」と呼びかけている。
EUの政治にどのような変化が起きているのか。そして、マクロン大統領の狙いはどこにあるのか。現地での取材をもとにレポートする。
INDEX
  • ①独仏政権に「厳しいお灸」
  • ②「移民とロシア」に関心集中
  • ③「半大統領制」の問題点

①独仏政権に「厳しいお灸」