エヌビディアの躍進と加速するテスラのAI投資!
トピックスオーナーの前田謙一郎です。
今週はスペースXの4回目のスターシップ打ち上げなどエキサイティングなイベントがありましたが、同様にAIやテスラ関連でも多くのニュースがあり、ますます自動車業界含めAIへの投資が加速していることがわかる1週間でした。
まずは大変好調なNVIDIA(エヌビディア)。時価総額は3兆円を超え、アップルを抜き、マイクロソフトに追いつくのももうすぐだと言われています。イーロン率いるテスラも2024年には莫大な投資をAIにすることを発表しており、NVIDIAハードウェアに30億ドルから40億ドルを費やす予定です。
そんな中、火曜にはテスラが購入したチップをXやxAIに振り分け利益相反だとアメリカの大手メディアが報道したり、金曜からは待望のFSD12.4.1が配信開始、そして来週は株主総会と、色々なイベントやニュースが目白押しですので、纏めて紹介したいと思います。
NVIDIAの躍進とリンクするテスラのAI投資
エヌビディアの株式時価総額は6月5日に初めて3兆ドル(約468兆円!)を超えました。これはチップ業界では史上初とのこと。株価は今年約132%上昇し、過去1年では193%も上昇しており、このままAIを牽引し続けるとマイクロソフトを時価総額で追い越すのも遠くないと言われています。
私のトピックスをフォローしている皆さまはご存じの通り、テスラはAI・ロボティクスカンパニーへのシフトを加速中です。その筆頭にあるのが人型ロボット「オプティマス」とFSDによる完全自動運転であり、AI関連への投資は必要不可欠。
テスラの自動運転の進化は業界内でもダントツなのですが、NVIDIAのジェンスン・フアンもテスラのFSD技術にお墨付きを与えています。以下のコメントは今年のYahoo Financeでのインタビューに答えたもの。
“Tesla is far ahead in self-driving cars, but every single car, someday, will have to have autonomous capability.”
テスラは自動運転技術でかなり先を走っている、将来的には全ての車が自律運転機能を備えることになるだろう
全体のインタビューはこちらでも見れます。NVIDIAの業績やAIまで、インサイトに溢れたインタビューです。彼は生成AIの台頭は新しい産業革命だとしており、NVIDIAが果たす役割は今後も大きくなるとしています。
余談ですが、彼の人気はアメリカや台湾でも凄まじく、5日に台湾で行われたテックイベントComputexで女性がバストトップにサインをして欲しいとお願いしたりもしていました笑 AIやテクノロジーに深いだけでなく、こんな気さくな所も好感が持てますね。
Jensen Huang’s viral autograph session at Computex! 😁 pic.twitter.com/MwcPHZDwMC
— Alvin Foo (@alvinfoo) June 5, 2024
テスラもGPUの購入を加速中だが、FUDな報道も
FSD(フルセルフドライビング)はAIベースの技術です。以前のコメントでジェンセン・フアンは、テスラが同社のH100グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を35,000台までインフラ拡大したと述べています。
テスラのデータセンターではAIモデルをトレーニングするために設計された強力な35,000個のチップが装備されたことになり、H100 GPUは1台あたり最大40,000ドル程度(台数や契約で異なるため推測ですが)で販売されることもあるため、これだけでも10億ドルの投資に相当します。
さらに、テスラは年末までに約50,000個のH100を購入する予定と言われており、イーロンがポストしていた今年中にはNVIDIAのH100チップに対して30億ドルから40億ドルの投資を行うとしていることともマッチしています。
しかしながら、6月5日にはアメリカ大手メディアCNBCが「テスラはさらに多くのH100 GPUを調達できたが、イーロンが一部のチップをXやxAIに振り向けたため、利益相反の可能性がある」と報じたため、また一悶着ありました。
イーロンがテスラ以外でのAI関連開発を優先していることを示唆しながら、テスラのチップの受け取りが遅れ開発に影響を及ぼす、また、テスラに対するイーロンの態度やリーダーシップについて疑問を呈すなどと、CNBCは映像ニュースでも述べており、またまたFUD報道だとXでも取り上げられていましたね(私も同感です)
*FUD:Fear(恐怖)Uncertainty(不確実性)Doubt(疑念)の略でマーケティングやコミュニケーションで使われる印象操作戦略
Tesla had no place to send the Nvidia chips to turn them on, so they would have just sat in a warehouse.
— Elon Musk (@elonmusk) June 4, 2024
The south extension of Giga Texas is almost complete. This will house 50k H100s for FSD training.
これにはすかさずイーロンも返答をしており、そもそもギガ・テキサスの南部分が拡張すると50,000個のH100SをFSD用に使うことができると返信。
すると、今度はCNBCは他のレポーター(Ross Gerber・ロス・ガーバー)を使い、広大なギガ・テキサスでストレージできないのは変な理屈だというような、レポートを続け・・・
最後はイーロンが、既存の工場スペースはすでに車両、バッテリー、およびセルの生産に割り当てられていて、さらにFSDトレーニングには大量の液冷テスラAIコンピュートとビデオストレージが必要であり、これは単にNVIDIAだけではないこと、また数台のコンピュータを隅に押しやって保管するような簡単でないことをXで説明していました。
このような報道はいつものことではありますが、来週にいよいよ迫ったテスラの株主総会での投票なども関係しているでしょう。前回のトピックスでまとめたイーロンのビジネスを超えた世界的影響力に続き、アメリカでのテスラやイーロンに対する注目はますます集まっている状況です。
FSD12.4.1も配信が始まった
さらに今週6月5日からは新しいFSD12.4.1の配信がアメリカで始まりました。12.4.1では大幅なアップデートが行われ、ステアリングホイールの確認(Nag)がないことが含まれています。
今回から導入されたシステムでは、ビジョンベースの注意監視(Vision-Based Attention Monitoring)を使い、キャビンカメラを使用して運転手の注意をモニターしています。カメラが運転手の目をはっきりと確認できる理想的な条件下ではドライバーがステアリングホイールに圧力をかける必要がなくなりました。
Tesla FSD 12.4.1 in San Francisco
— Whole Mars Catalog (@WholeMarsBlog) June 8, 2024
Watch in 4K: https://t.co/zANeoB3sM7 pic.twitter.com/Y40OJRHIig
ドライバーは前方の道路を見ながら、サングラスやつばの低い帽子、その他の目を覆う物を着用していないことが必要になってきますが、より自動運転が快適になっていくことがわかります。12.4.1のまとめについては昨日のTeslaratiのZachの記事によく纏まっているので、こちらもぜひ。
6月13日は運命の株主投票
そして最後に、13日にはテスラの株主総会が行われます。イーロンの560億ドル(約8.7兆円)の報酬が承認されるか、そしてテスラのテキサスでの登記は進むか。今後のテスラの成長に多大な影響を与える重要な意思決定がなされる日であり、テスラにとっては今年一番のイベントになるでしょう!詳細はぜひ以前の記事を読んでみてください。
今週になって、テスラのBoard Chairであるロビン・デホルムのイーロンの報酬やテキサスへの移転などのインタビューも色々なところで取り上げられていますね。ちなみに私はすでに投票は終わらせました☺️
株主総会の続きは次回の記事に纏めたいと思います。良い週末を!
TOP画像:Getty Images
コメント
注目のコメント
今週はスペースXの打ち上げだけでなく、NVIDIA躍進やテスラのAI投資のニュースが多くあったエキサイティングな1週間でした!
金曜からはFSD12.4.1もアメリカで配信開始、そして、来週にはテスラの株主総会も開催されます。同時にアメリカのMSMはAIへの投資を加速するテスラにネガティブな報道を行い、それにイーロンが反論したり、、そんな今週の一連のニュースを纏めました。AIロボティクスカンパニーへの移行が鮮明ですね。
EVの売れ行きが、など気にならなくなってきました。ただ、とはいっても祖業のEVで移動革命をおこして欲しいので引き続きEVに軸足をおいてスケールして欲しいです!