米ISS、ソフトバンクGの孫氏の再任に反対-低調なROEで
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こちらも孫氏は再任されるだろう。
ソフトバンクGは3年連続の通期赤字。そして昨日の豊田氏への反対推奨の記事でコメントしたが、ISSなど議決権助言会社には基本となる方針・基準があり、開示されている。
「過去5年平均のROEが5%を下回りかつ改善傾向にない場合」、というのが2024年版日本基準ではある。ソフトバンクGは、2021年3月期に爆発的な投資利益が出て(「金の卵」と言い始めたころ、だと思う)、その年がROE62%。それ以外は最終損益がマイナスで、5年平均のROEでも3.65%となった。
昨日のトヨタのものとは違い、こちらは定量基準をそのまま適用したという形に見える。ISSとしては特に定量基準について個社判断を入れ過ぎると、そもそも基準は何のためにあるのかという話になる。
また、ソフトバンクGの株主を見ると、明らかに孫氏やその資産会社とみえるものだけで32%ほどの保有がある。取締役選任は株主総会での普通決議事項で過半の賛成が必要で、これだけ保有していると否決になるのは相当厳しい。
加えて、機関投資家各社としては、孫氏がいるソフトバンクGとそうではないソフトバンクGどちらが良いかであれば、大部分は前者だと思う。特にアクティブ投資であれば、変えたほうがいい経営者がいる会社に、おまけに株主構成として退任は現実的ではない中で、なぜ投資をしているのかの説明も難しい。
だから、再任されるし、またISSがこう推奨しても、機関投資家の反対もそこまで広がらないと思う。
トヨタ豊田会長の取締役選任、米議決権助言大手2社が揃って反対(2024/5、Bloomberg)
https://newspicks.com/news/10041291/
ソフトバンクGが3年連続の通期赤字-守勢から反転攻勢の過渡期(2024/5、Bloomberg)
https://newspicks.com/news/9969823