ベンチャーバブル? スタートアップの「資金調達」を考える

2015/6/9
第4回は、スタートアップの資金調達について語る。大規模な資金調達のニュースが目立つ昨今だが、朝倉氏はこの現状をどう見ているのだろうか。

「資金調達」の環境が大きく変化

今回は、非公開企業の資金調達について考えてみたいと思います。
ここ数年の間、日本国内のスタートアップを取り巻く環境は大きく様変わりしました。その中でも特に変わったのが、資金調達の環境です。
現政権は「産業の新陳代謝とベンチャーの加速」を成長戦略の柱に据えていますが、最近では官民ファンドが直接スタートアップへの投資を行ったり、ベンチャーキャピタル(VC)に資金を供給したりするケースが増えてきました。
また、民間においてもさまざまな業種の大企業が、スタートアップやVCに投資するほか、独自のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を設立するといった活動を行っています。
思い返すと、私がネイキッドテクノロジーにいた2010年当時、IT関連で1億円以上の資金調達をしたスタートアップはそんなに多くなかったと思います。
それが今では、1億円を超える規模の資金調達のニュースが週替わりのようにテック系メディアをにぎわせています。レイターステージともなると、30億、40億といった単位での資金調達が当たり前のように行われています。