(ブルームバーグ): イタリアの名門サッカークラブ、インテル・ミラノの所有権を米投資運用会社オークツリー・キャピタル・マネジメントが取得した。同クラブのオーナーだった中国企業がオークツリーの融資をデフォルト(債務不履行)していた。
オークツリーは電子メールで配布した発表文で、インテルのオーナーで中国家電販売大手の蘇寧易購集団が3億9500万ユーロ(約670億円)の融資を返済できなかったため、22日にクラブの経営権を握ることになったと説明した。クラブの過半数株が債務の担保となっていたという。
オークツリーのグローバル・オポチュニティーズ・ストラテジー担当欧州共同責任者、アレハンドロ・カノ氏は発表文で、「新オーナーとして、インテル・ミラノのコミュニティーや歴史、レガシーに対する責任を感じている。まずは運営と財務の安定に集中する」と述べた。
オークツリーの融資は22日が返済期限だった。蘇寧は過去数週間、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)と債務借り換えの協議を進めてきたが、期限までに合意を成立させることができなかった。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)時にスタジアムに観客を入れた試合ができなくなり、インテルに財政支援が必要になったため、蘇寧は2021年にオークツリーから資金を借り入れた。
インテルは欧州有数の名門サッカークラブで、今季「セリエA」で優勝。欧州各国リーグの上位チームで争う「UEFA」チャンピオンズリーグでは昨年準優勝に輝いていた。
ミラノのサッカークラブを債権者が保有することになるのは初めてではない。18年にはACミランの前オーナーがデフォルトし、米ヘッジファンド運営会社エリオット・マネジメントが債務を株式に交換してクラブを取得した。
原題:Oaktree Takes Over Inter Milan After Owner Defaults on Debt (3)(抜粋)
--取材協力:Jerrold Colten.
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