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2024年8月3日 公開 【独白】エネチェンジ、疑惑の会計スキームの全て
今年3月、「会計不正」の疑惑が持ち上がったエネルギー系スタートアップの雄ENECHANGE。調査委員会の設置に、株価の暴落、上場廃止の危機にも陥るなか、NewsPicksが疑惑の中心となった創業者に独占インタビューを敢行し、真相に迫る。
詳しい解説記事はこちら:https://newspicks.com/news/10357048/body
取材:大酒丈典、森川潤/デザイン:黒田早希/スタジオ撮影:小田切瑞穂、栗原美穂/制作補:藤村聖子、齋藤薫、小西健太郎/ディレクター:柳橋泉紀
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取材:大酒丈典、森川潤/デザイン:黒田早希/スタジオ撮影:小田切瑞穂、栗原美穂/制作補:藤村聖子、齋藤薫、小西健太郎/ディレクター:柳橋泉紀
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劇場型にしたくないのですが、重要な点で事実と異なるので、会社(ENECHANGE社)広報と確認の上でコメントしています。
・インタビュー動画を見て、NPの憶測と、城口元CEOのポジショントークだなという感想です。
・動画にあった元CEOから社債権者への貸付金の存在という重要な情報は、監査法人だけでなく、取締役会にも報告されていませんでした(公表された調査報告書にも記載されています)。
・また、会計スキームを主導したのは私(森)であろうというNPの憶測に基づくストーリーになっていますが、事実と異なります。事実と明確に異なる本論点を実際に会計スキームの推進を主導した元CEOがインタビューの場で即時に否定しなかったのは、それはご自身に都合が悪くなると感じだからなのでしょう。
(なお、私は非執行の独立社外取締役ですので、執行チームにアドバイスをすることはあれど、会計処理の判断や財務諸表の作成という執行の業務に直接関与することはありません。)
・インタビュー動画を見て、NPの憶測と、城口元CEOのポジショントークだなという感想です。
・動画にあった元CEOから社債権者への貸付金の存在という重要な情報は、監査法人だけでなく、取締役会にも報告されていませんでした(公表された調査報告書にも記載されています)。
・また、会計スキームを主導したのは私(森)であろうというNPの憶測に基づくストーリーになっていますが、事実と異なります。事実と明確に異なる本論点を実際に会計スキームの推進を主導した元CEOがインタビューの場で即時に否定しなかったのは、それはご自身に都合が悪くなると感じだからなのでしょう。
(なお、私は非執行の独立社外取締役ですので、執行チームにアドバイスをすることはあれど、会計処理の判断や財務諸表の作成という執行の業務に直接関与することはありません。)
- いいね246
スタートアップから上場企業まで、立ち上げ段階や上場直前機の社外取締役や社外監査役、政府の調査委員会、現在も金融機関の常勤監査役などを歴任し、不正を発見して処分をしたり、会計不正調査に関する特別調査委員会を組成したり、委員や委員長代理を務めて会計・法務面で取締役の責任判定、不正を行った取締役に対する賠償請求訴訟の提起など、自分でいうのもなんですが、実戦経験がそれなりにある人間の一人として言わせていただくと、城口さんの退任は、意外なことではなく当然のことと感じました。
もちろん、外部調査委員会の報告書も読ませていただきました。調査委員会の中心でリソースも割いて報告書の取りまとめにおいて中心的な役割を担ったであろう光和総合法律事務所(規模としては中堅だが、企業不正調査の分野で実績ある事務所)とも、それこそ何ヶ月間も土日も夜もない調査を一緒にさせていただいたこともあります。その上で、このインタビュー動画を見ると、エネチェンジという会社は、内部統制が無効化されているとは言わないまでも、上場企業としてみるとかなり脆弱な会社だと感じざるを得ません。
まず、CFOが会社の経営に関する責任を持つ取締役でなく、会社法上は一従業員に過ぎない(だから調査報告書では氏名が表示されていない)A氏だということです。そして、CFOの下で(しかし対外的には会社を代表して)契約関係の交渉をするB氏がその下で手を動かす立場にあったということです。そうなると、会社のガバナンスの上では、城口さんは、代表取締役であると共に、CFOとしてのチェック機能も果たすべきであったはずです。それなのに、「私は会計の専門家ではないので」といってしまったり、「たった一つのミス(タスクの管理の漏れ)」と言ったりするのは、幼いというか、子供じみた言い訳だと、私は感じます。彼は、①ガバナンスを全うする体制を整えるか、②重要な仕事を人任せにしないようにするか、③上場会社になることを踏みとどまる(もはや取締役でないので、今は意思決定する当事者ではありませんが)べきだったと思います。
にわかに身につけた知識はあるが、経験の少ないスタートアップの創業者が、上場をしたり、政府の資金を求める前にしておくべきことに関する他山の石がゴロゴロ転がっていて、MBAのケースとして使えそうな事案だ、というのが私の受け止めです。
もちろん、外部調査委員会の報告書も読ませていただきました。調査委員会の中心でリソースも割いて報告書の取りまとめにおいて中心的な役割を担ったであろう光和総合法律事務所(規模としては中堅だが、企業不正調査の分野で実績ある事務所)とも、それこそ何ヶ月間も土日も夜もない調査を一緒にさせていただいたこともあります。その上で、このインタビュー動画を見ると、エネチェンジという会社は、内部統制が無効化されているとは言わないまでも、上場企業としてみるとかなり脆弱な会社だと感じざるを得ません。
まず、CFOが会社の経営に関する責任を持つ取締役でなく、会社法上は一従業員に過ぎない(だから調査報告書では氏名が表示されていない)A氏だということです。そして、CFOの下で(しかし対外的には会社を代表して)契約関係の交渉をするB氏がその下で手を動かす立場にあったということです。そうなると、会社のガバナンスの上では、城口さんは、代表取締役であると共に、CFOとしてのチェック機能も果たすべきであったはずです。それなのに、「私は会計の専門家ではないので」といってしまったり、「たった一つのミス(タスクの管理の漏れ)」と言ったりするのは、幼いというか、子供じみた言い訳だと、私は感じます。彼は、①ガバナンスを全うする体制を整えるか、②重要な仕事を人任せにしないようにするか、③上場会社になることを踏みとどまる(もはや取締役でないので、今は意思決定する当事者ではありませんが)べきだったと思います。
にわかに身につけた知識はあるが、経験の少ないスタートアップの創業者が、上場をしたり、政府の資金を求める前にしておくべきことに関する他山の石がゴロゴロ転がっていて、MBAのケースとして使えそうな事案だ、というのが私の受け止めです。
- いいね97
動画と改めて報告書を読んでのコメント
報告書: https://ssl4.eir-parts.net/doc/4169/tdnet/2467609/00.pdf
・城口氏は外部調査委員会が入る直前まで(追記)、このスキームが問題ないと思っていたのかもしれない
以下、城口氏から従業員に対してのメッセージ(一部編集しています)
・『僕は⚪︎社に貸付けをしてもいいよね?(直接はダメなんだろうけど)』
・『そもそもSPCが会計上問題ないか確認できているか報告ください。プットオプションがある以上、監査法人に秘密でやるというのはダメなはず。指示しているタスクに絶対漏れがないよう管理を徹底してください』
・『僕が直接貸し付けをすると連結扱いになるはず』
これに対し、契約締結など本件に携わった担当執行役員2名は以下のような返答・発言をしていました。
【Aさん(元CFO)】
城口氏から⚪︎社への貸し付けは(監査法人に?)バレないので問題ない
【Bさん】
・部下へのメッセ:金銭消費貸借(城口氏による貸付け)は絶対に表に出さないでください。表に出るとアウトなやつなので
・監査法人から本スキームの営業資料を提出してください
→一部情報を削除して提出していた
そして、当時のCFOは最終的に金銭消費貸借契約を結んだことを把握していなかった模様
城口氏に対して気になるのは、Bさんの指示なのか、金銭消費貸借関連のメール・Slackのメッセージを削除していること(Bさんも削除していた)
報告書: https://ssl4.eir-parts.net/doc/4169/tdnet/2467609/00.pdf
・城口氏は外部調査委員会が入る直前まで(追記)、このスキームが問題ないと思っていたのかもしれない
以下、城口氏から従業員に対してのメッセージ(一部編集しています)
・『僕は⚪︎社に貸付けをしてもいいよね?(直接はダメなんだろうけど)』
・『そもそもSPCが会計上問題ないか確認できているか報告ください。プットオプションがある以上、監査法人に秘密でやるというのはダメなはず。指示しているタスクに絶対漏れがないよう管理を徹底してください』
・『僕が直接貸し付けをすると連結扱いになるはず』
これに対し、契約締結など本件に携わった担当執行役員2名は以下のような返答・発言をしていました。
【Aさん(元CFO)】
城口氏から⚪︎社への貸し付けは(監査法人に?)バレないので問題ない
【Bさん】
・部下へのメッセ:金銭消費貸借(城口氏による貸付け)は絶対に表に出さないでください。表に出るとアウトなやつなので
・監査法人から本スキームの営業資料を提出してください
→一部情報を削除して提出していた
そして、当時のCFOは最終的に金銭消費貸借契約を結んだことを把握していなかった模様
城口氏に対して気になるのは、Bさんの指示なのか、金銭消費貸借関連のメール・Slackのメッセージを削除していること(Bさんも削除していた)
- いいね64
動画と報告書を改めて読んだ。
まず、本動画に出られたこと、勇気が必要だったと思う。一方、本件全体について、城口氏は、会計処理の問題を明確に認識していたと思う。その観点で経営者・取締役としての義務・責任を全く果たさなかったと捉えている。
注目した点は平川さんのコメントと同じ部分だが、自分は別の捉え方。認識しているからこういう確認をしたと見える。
報告書のP34に時系列の整理があり、2023年3月下旬までに資金拠出意向が前提となっていることが分かる。P18にあずさとのやり取りがあり、2023年1-3月に議論をして、4月に会計処理の是認判定が一旦されているが、金銭契約の説明はされていない(重要論点だから説明するのは当然)。
城口氏は「タスクに絶対漏れがないように管理を徹底しろ」と指示している。ただ、これを真とすると矛盾がある。具体的には、金銭解約に関係するメール・Slackを本件が論点となった今年2月に城口氏自身が削除したこと。指示したから、あずさが金銭契約を伴うスキームと認識したうえで会計処理を是認したと城口氏が認識していたなら、削除する必然性がない。
むしろ、指示していたが意図的な説明で是認を受け、実態では連結すべきと城口氏が認識しており、だからその時点での証跡を削除したと考えるほうが自然(そして削除自体が極めて不適切)。
なお、元CFOについて、2024年1月に転職先でCFO就任リリースがある。2023年春時点で議論は出ており、、当該時点で決定しない限り、あずさに説明しなかったことは「移行期間」では説明できない。
また監査法人とのやりとりは、CEOたる城口氏の責任も当然ながらある。
森氏については、レノバでのオプション付きスキームを紹介した事実は確認できるが、その不確実性は太陽光とは異なり、また金銭契約の取締役会での言及は本件発覚後。
森氏含めた取締役が積極的に確認しなかった責任は否定できないが、上記の削除とその後の復元について指摘したり、持っている情報のなかではベストを尽くされているように見える。
※森氏とは個人的にも知り合いだが、本件発覚後にやり取りは相互にない。過去に職業倫理性とその重要性について話題になったこともあり、ラインを超えないことへの誠実性をプロとして重視されていると自分は捉えており、上記の見方に影響を与えている部分はあろう
まず、本動画に出られたこと、勇気が必要だったと思う。一方、本件全体について、城口氏は、会計処理の問題を明確に認識していたと思う。その観点で経営者・取締役としての義務・責任を全く果たさなかったと捉えている。
注目した点は平川さんのコメントと同じ部分だが、自分は別の捉え方。認識しているからこういう確認をしたと見える。
報告書のP34に時系列の整理があり、2023年3月下旬までに資金拠出意向が前提となっていることが分かる。P18にあずさとのやり取りがあり、2023年1-3月に議論をして、4月に会計処理の是認判定が一旦されているが、金銭契約の説明はされていない(重要論点だから説明するのは当然)。
城口氏は「タスクに絶対漏れがないように管理を徹底しろ」と指示している。ただ、これを真とすると矛盾がある。具体的には、金銭解約に関係するメール・Slackを本件が論点となった今年2月に城口氏自身が削除したこと。指示したから、あずさが金銭契約を伴うスキームと認識したうえで会計処理を是認したと城口氏が認識していたなら、削除する必然性がない。
むしろ、指示していたが意図的な説明で是認を受け、実態では連結すべきと城口氏が認識しており、だからその時点での証跡を削除したと考えるほうが自然(そして削除自体が極めて不適切)。
なお、元CFOについて、2024年1月に転職先でCFO就任リリースがある。2023年春時点で議論は出ており、、当該時点で決定しない限り、あずさに説明しなかったことは「移行期間」では説明できない。
また監査法人とのやりとりは、CEOたる城口氏の責任も当然ながらある。
森氏については、レノバでのオプション付きスキームを紹介した事実は確認できるが、その不確実性は太陽光とは異なり、また金銭契約の取締役会での言及は本件発覚後。
森氏含めた取締役が積極的に確認しなかった責任は否定できないが、上記の削除とその後の復元について指摘したり、持っている情報のなかではベストを尽くされているように見える。
※森氏とは個人的にも知り合いだが、本件発覚後にやり取りは相互にない。過去に職業倫理性とその重要性について話題になったこともあり、ラインを超えないことへの誠実性をプロとして重視されていると自分は捉えており、上記の見方に影響を与えている部分はあろう
- いいね66
1カ月以上にわたる交渉の末、CEO退任を発表したばかりの城口さんに独占インタビューをしました。
90分間にわたり、エネチェンジの会計疑惑について、すべての質問に答えてくれています。
今年、国、エネルギー業界、スタートアップ界隈までを揺るがしたこの会計問題について、少なくとも「一つの真相」は見えてくるはずです。
ぜひ、ご覧頂き、評価ください。
90分間にわたり、エネチェンジの会計疑惑について、すべての質問に答えてくれています。
今年、国、エネルギー業界、スタートアップ界隈までを揺るがしたこの会計問題について、少なくとも「一つの真相」は見えてくるはずです。
ぜひ、ご覧頂き、評価ください。
- いいね78
動画の最後に、大酒さんと柳橋さんが、貸付の件をあずさ監査法人に伝えていなかった漏れが「痛恨のミスだったと城口前CEOはきれいにまとめておられましたけれども・・・」と、いくばくかの疑念を示唆しておられました。私も、そこが引っ掛かりました。
大きな問題は、そこではないでしょう。私の感じた疑問は、エネチェンジが将来、何年、いや何十年にもわたりEV充電器を売り上げることから生み出す(かもしれない)収益を、空箱SPCを使い前倒して発生させるような「無理」を、どうしてしなければならなかったのか、という点です。
なぜ、充電器の売上げが緩やかしか伸びないスタートアップではいけなかったのでしょうか。株価維持に取り憑かれてしまい、功を焦ったのでしょうか。
歳を取ったせいなのか、城口前CEOの経営判断の甘さばかり目についてしまいましたが、昨年の時点でこの問題に踏み込めなかったあずさ監査法人や、多額の血税を二度もこの会社につぎ込んだ産業革新機構にも、責任を取ってもらいたいと思います。
大きな問題は、そこではないでしょう。私の感じた疑問は、エネチェンジが将来、何年、いや何十年にもわたりEV充電器を売り上げることから生み出す(かもしれない)収益を、空箱SPCを使い前倒して発生させるような「無理」を、どうしてしなければならなかったのか、という点です。
なぜ、充電器の売上げが緩やかしか伸びないスタートアップではいけなかったのでしょうか。株価維持に取り憑かれてしまい、功を焦ったのでしょうか。
歳を取ったせいなのか、城口前CEOの経営判断の甘さばかり目についてしまいましたが、昨年の時点でこの問題に踏み込めなかったあずさ監査法人や、多額の血税を二度もこの会社につぎ込んだ産業革新機構にも、責任を取ってもらいたいと思います。
- いいね52
インタビューになぜ応じてくれたのか?という編集部の質問に、城口氏が挙げておられたNPの記事はこれかな、、、?
【評価30倍】僕らは「脱炭素」で、もう一つの勝負をかける(2021/12/28)
https://newspicks.com/news/6499560/body/
【評価30倍】僕らは「脱炭素」で、もう一つの勝負をかける(2021/12/28)
https://newspicks.com/news/6499560/body/
- いいね23
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