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2023年9月9日 公開

【真相】NASDAQ上場した「空飛ぶバイク」の悲劇

日本企業として初めて米NASDAQにSPAC上場したA.L.I.テクノロジーズが倒産の瀬戸際にいる。SPAC上場とは、上場する「空箱」と合併する特殊な上場手法。空飛ぶバイクを開発する夢の会社が、無謀な上場で転落するまでを徹底取材した。(出演:大酒丈典/デザイン:黒田早希/撮影:小田切瑞穂、川村拓希/制作補:王芸杉/音効:栗原良介/ディレクター:柳橋泉紀/プロデューサー:小西健太郎)
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不名誉ながら「日本初SPACでNASDAQ上場を果たした後に整理解雇された日本初の役員」となってしまいました。

A.L.I. Tehnologiesとは私が従業員として参画する以前の2019年以来の付き合いとなりますが、直近まで在籍していた当時の取締役陣は元外資系ヘッジファンドや元外資系戦略コンサル出身者など、スタートアップにありがちな技術屋集団というような姿とは一線を画す経営体制でした。事業計画や資金政策にしてもスタートアップとは思えない内容で、当時はドローン・エアモビリティ業界においても間違いなく花形だったと思います。それはドローンファンドの創業者でもある千葉功太郎氏自らが、出資先のA.L.I. Technologiesの社外取締役を勤められていたことからも分かるかと思います。(もう少し踏み込むと、2020年初期まではドローンファンドもA.L.I.とオフィスを共有していましたか。それ自体を悪く言うつもりはありませんが。)

SPAC上場で資本政策に大失敗し、上場後にもかかわらず市場外での大規模な資金調達が必要な状態になってしまいました。取締役会のマジョリティーの議席とトレードオフする形でアメリカ人投資家達を迎え入れたわけですが、以来IRも打ち出されておらず、会社として何がしていきたいのか、大規模リストラで何を実現したいのかが不明瞭なまま今日に至ります。

一般社員からしたらSPAC前後で業務でやっていることは何ら変わらないので、経営状態がクリティカルに悪化したことが通知されたのは晴天の霹靂であり、さらにはその30日後に整理解雇というのは、まったくもって頭も心も整理できなかったのではないかと思います。それだけにせめて給料未払い問題だけでも早期に解消されることを願っています。

SPAC後の会社の状況に迫っている過去の記事は、過去にもPickしているので、そちらを参考にされるとよいかと思います。
https://newspicks.com/news/8742884

末筆ではございますが、今回SPACに関与したステークホルダーや債権者など多くの関係者を取材し、リストラ後の蛻の殻となったA.L.I.のオフィスまで行かれているNewsPicks編集部の取材力には脱帽です。
SPACであっても上場も資金調達の手段の一つで、それでいくらの資金を調達できるのかという検討をしないのはとても不思議です。上場はそれなりのコストがかかりますのでそのコストに見合う資金調達ができないのであれば上場する理由はないはずです。

あと、SPACの投資家はどんな理由でこのSPACへ投資をしたのでしょうか。それも気になります。そもそもこの時期に、なぜ、と思ってしまいます。
まあリスク管理甘いよな。このSPACスキームはIST社も検討したけど、上場時に資金を引き上げられるオプションがついてるのが危険だと思ったものな。
SPACでの資金調達以前には、そもそも事業性がなかったのが根本課題。SPAC上場してなくても、資金繰りも解雇も発生していたと思うし、SPACはその延命のためでも、上場が公的なものだから、より被害を拡大したと思う。

元々、自分は空飛ぶクルマ(eVTOL)全般に、事業性という観点で極めて懐疑的。
エネルギーが課題になる中で、常に浮かせ続けるというのは物理原則的にエネルギー効率が極めて悪い。タクシーを代替するようなことはありえず、局所的なマーケット。
でもSPAC上場は、上場企業(SPACという空箱)が買収するという形なので、一般企業が買収するときのような「買収に伴う説明」で説明資料を出せる。それが絵空事のバラ色ばかり。
A.L.I.に関わらず、根本的に事業性がないから資金調達が必須だが、SPACという方法か、大口投資家の一種趣味に頼らざるを得ない。利上げやSPACブームの終焉は、根本的な課題ではない。

A.L.I.に関しては、そのなかでも支離滅裂な構造だったと思っている。
まず、上場が報じられた2022年4月、その時の記事で『片野氏は「人が乗るモビリティーを扱うという意味では、公共性がある企業ということが大事」だと話し、事業の特性上、株式上場による「安心感」が必要との認識を示した。』とあった。でも、根本的に株式上場ではなく事業や規制承認で安心感を得ることが必要。
この論理もないし、動画を見ると、千葉氏がSPACを作った後にその上場も検討してくれと、A.L.I.の取締役にもかかわらず言っている。最終的な意思決定では採決に加わらなかったのだろうが、検討を指示して、かつ自身が関わるSPACと合併したのは、関わっていないとはとても言えないと思う。

また、インタビューで出ている創業者の方も、各時点でリスクに気が付いていたとのこと。
そして千葉氏などにコミュニケーションしていたというが、そこで退任をしたりメディアに行かなかった時点で、誠実性がないということだと自分は思う。特に上場は公的な存在になるということで、結果としてより多くの方が被害を受ける構造になる。
また、事業経済性を作れなかった経営責任は、当然ながら免れない。

「空飛ぶバイク」のALI、エアーモビリティー日本初の株式上場準備(2022年4月)
https://newspicks.com/news/693003
野心的な企画でぜひ引き続き頑張っていただきたいと思いました。ただ、(1)そもそもなぜそんなに上場を焦ったのか?(2)利上げ前から失速し問題も多発していたSPAC上場をなぜ選んだのかについてはわからないままです。「面白そうだから、ちょっとやってみたら失敗した。悪気はなかったんです」としかこの情報では理解できない。その意味では「全員素人?」というタイトルはすごく的を得ているかもしれません。
SPACの仕組みを理解せず、ブームに乗ってSPACをつくり、期限寸前にとりあえず空箱に入れた、ということなのでしょうね。

ポーカーのルールを知らず、ブームだからといって、ポーカーをして火傷した。そんな印象です。

動画レポートはとても参考になりました。
弊社もまさに取材を続けてきた案件です。倒産しているわけではないため、速報記事は出していませんが

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