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2020年10月7日 公開

【叫び】ハンコは悪者じゃない

菅政権が進める行政手続のデジタル化。その象徴にまつり上げられたのが「脱ハンコ」だ。半ば抵抗勢力のように扱われるハンコ産業の人々はどのようにこの動きを受け止めているのか。ハンコ生産量の半数を占める山梨県の「ハンコの里」を直撃して見えた、もう一つの真実をレポートする。(8分/取材:池田光史/デザイン:國弘朋佳/撮影:栗原良介/構成・ディレクター:柳橋泉紀/プロデューサー:小西健太郎)
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以前、六郷の印章を取材したことがあります。ただ、本当に厄介で途中で挫折しました。日本の中小企業・伝統産業が抱える問題が、複雑に絡み合っています。参考までにポイントを記します。

・完全手彫り、手仕上げ、機械彫りの違い
リポートの中で、「脱ハンコの人たちが言っているのは三文判なんですよ」という発言があります。これは印章業界の定型的なオピニオンです。「三文判」とはなんでしょうか。「機械で大量生産された数百円のハンコ」をイメージされると思います。しかしそれだけではないのです。
完全手彫りのハンコは数万円するもので非常にレアです。市場に流通しているハンコのほとんどはどこかで機械が入っています。分類を組合がまとめた表があるのでご覧ください。この違いを理解しないと、やりとりがすれ違います。
https://www.makuake.com/project/eimei-in/

・「ハンコの里」の実態
六郷の産業は印章ですが、実態は印章の卸売りです。手彫りにこだわる職人は10年以上前に取材したときでも十数人でした。国の伝統工芸に指定されていますが、それは「ハンコの里」の一部です。この「滅びゆく職人」と「ビジネスに使われる決済ツール」の差が事態をややこしくしています。決済ツールであれば、機械彫りでもまったく問題ないのです。

・比較検討しづらい商品特性
印章のデキのよしあしは、プロでないとわかりません。そもそもみんな気にしないのです。何個もつくるものではなく、デキが悪いとしても実用の問題はありません。そうなると市場がうまく機能しません。「会社の実印は×万円」といった価格は何の根拠もなく、そして仕上がったモノも「こんなものか」で済んでしまいます。正直に良品をつくるほど、儲からなくなる商売です。

・そして商売をしているのはどんな人か
印章を仕事にするには、商流に入ることが重要です。だから2代目、3代目が多い。そして最大のニーズは「取り急ぎ、ハンコがほしい」なので、そこに文化としての誇りを埋め込むのは難しい。どんどんビジネスライクになっていきます。でも、決済ツールとしてしまえば「不要論」に追いまくられる。たとえば冠婚葬祭でも似たことが起きています。イノベーターもいるのですが、なかなか大きな流れにはなりません。

このあたり、第2弾でとりあげてほしいです。勝手な要望ですが……。
六郷の皆さんの言う事が論理的に正しい、一般に多く流布している言説が誤りです。非効率の原因はアナログ原本至上主義であってハンコではありません。海外におけるサインでも同じ、使うのがペンか、はんこかの違いだけです。

国によってシンガポールのようにオンライン認証OKか、否かの違いによるのみです。NGの国で例えば投資をすると投資契約書に何十枚もサインしてFedexで送る羽目になるのは、別に日本のはんこと変わらない著しい非効率です。もっとも、流石にコロナで多くの新興国すらも規制改定によってオンラインでOKになった国は増えています。

何度もコメントしてきた通りです。
https://newspicks.com/news/5019437?ref=user_143212
山梨に"ハンコの里”があるーー先日の「THE・ハンコ」特集取材中にそんな話を聞きました。2018年のデジタル・ガバメント構想時にはここ山梨出身の自民党議員たちがロビーイングして法改正に影響力を発揮したといいます。しかし経済規模的にも票数としてみても、なぜここまで政治力を持つのかがよくわからず、興味が湧きました。

ところが、ハンコ悪者論に反論した山梨県ですら、なかなかこのテーマでは当初取材に応じてくれず、交渉は難航。特集期間中にはインタビューが叶わなかったのですが、柳橋ディレクターが丁寧なその後も取材交渉を続け、今回の現地取材に至りました。

たまたま、ではあるものの、その後のほうがさらに「脱ハンコ」の風潮は高まっていき、より逼迫した事情が伝わってきました。さんざんメディアが騒ぎ立ててきたことにもうんざりしていたようで、現地に行ってからも直撃取材はかなり大変でもありました。

「産業構造の転換」とは容易に言いますが、人間が対応可能な変化のスピード、というのにも限界はあるでしょう。柳橋Dも書いていますが、およそ100年前に足袋産業からハンコ産業にシフトしたこの地がこれからどうなっていくのか、そんな転換期の記録になるかもしれません。
私も先日、ハンコ業界の方のお話を少し聞く機会がありました。
ビジネスツール、認証ツールとしてのハンコは今後難しくなっていき、業界の規模が縮むのは仕方のない話ですが、こういう時には門外漢の若い世代が全く別の道を拓くこともよくあります。レコードみたいな展開になってくると面白いんですけどね。
あらゆる産業には盛衰というものがあるわけで、認めたくない気持ちはわかるものの、それにより招いている社会問題があるわけで。いきなりゼロにはならないものの、これまでも減少してきたわけで、これからも減少していくのは政府の方針の有無関係なくともそうなるのでしょう。御朱印など分野的に攻めたり、アートとして残るものがあるのはいいが、証明として使うのは非効率なのはいずれにしても明白ですね。
編集の都合かもしれませんが、誰も「お客さん」のことを言っていません。自分たちの都合ばかりを言っているように見えます。

ハンコを使う「お客さん」がどういう人で、どういうものを必要としているか、欲しているのかを当初から真剣に考えていれば、もしかしたら「デジタル認証の里」に生まれ変わることができたかもしれません。

あるいは、職人さんたちが作る数少ない貴重な手彫りの印章の技術を、何か別のものに応用して、市場を広げる、別の戦略があったかもしれません。例えば、金箔職人の方が、その技術を応用して金箔のテンポラリー・タトゥーを作り、ハリウッドのセレブなどがパーティ用に愛用しているという話を聞いたことがあります。

経営コンサルタントとして、自社事業が長期低落傾向にあるときにどうすべきかの興味ある事例です。
グローバル展開をしている企業にとって、契約にハンコが必要というのは考えられないことでした。結局はサインで済ませてしまうことに。

日本の経済成長を加速するためには、商習慣のデジタル化は必須です。

ハンコはかつての花押のように、プライベートな分野で使われるようになるのではないでしょうか。

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