ライブコメントを表示

ライブコメント
コメントを非表示
VIDEO
2023年2月21日 公開

【徹底取材】仕事、メンタル…これが、戦時下のリアルライフだ

21世紀のいま、私たちの社会で戦争が起きたら、暮らしはどう変わるのだろうーー。「歴史の転換点」「ハイブリッド戦争」など、大きなキーワードが飛び交うウクライナ侵攻。戦禍の中、人々のリアルな生活、仕事、精神はどのように移り変わっているのか。スタートアップの経営者や兵士を始め、ウクライナから届いた人々の証言をお伝えする。(19分/取材:キアラシ ダナ、糸井あかり、中川雅博/デザイン:黒田早希/撮影:小田切瑞穂、川村拓希/制作補:王芸杉、佐藤烈/ディレクター:小西健太郎)
出演者:
コメントする
Pick に失敗しました
人気 Picker
『ランボー』という映画の最初で、ベトナム戦争帰りのランボーは、自分たちが地獄のような戦地から帰ってみると、米国の人々が以前と何にも変わらない生活をしていることに衝撃を受けます。
 ベトナムに行っていない米国人からすると、ベトナム戦争は、テレビニュースで見るもの、反戦デモなどで取り組む対象に過ぎませんでした。
 ベトナム帰りということで「普通の」米国社会から冷遇されたランボーは、武器を取って一種のテロリストになり、戦争の続きを始めます。
 これは、かなり緩和されたものの、イラク帰りやアフガニスタン帰りにも起きた事で、戦地と日常には、大きな隔絶がありました。これは、米国の強さでもあります。

戦時下でも、大多数の国民には、従来通りの生活ができるようにしておいた方がいいに決まっています。それが政府の義務でさえあります。
 そうしないと保ちません。
 日本人は、主に都市住民の記憶をもとに、「戦争体験」を語り継いできていますが、1937年に日中戦争を始めてから、1944年に都市部での空襲が本格化するまでは、戦争というのは映画ニュースで見るものか、提灯行列で勝った勝ったと祝うものでした。

国民全体の日常を戦争に巻き込むようになったら、もう負けたようなものです。
 食料が無いからと小学校の校庭で小学生にサツマイモをつくらせたり、石油が無いからといって、中学生に松の根っこを掘らせるような日常になってしまっては、負けは見えています。
 一方で、米軍の捕虜になったドイツ軍兵士などは、収容所の食事がステーキやアイスクリームで、何かからかわれているのではないかと思った、という話があります。

戦場と日常の意識の隔絶は、それはそれで深刻な問題であるし、戦争遂行のうえでも支障があります。
 しかし、戦争がCGかゲームのようにしか思えない、というのは、結局幸せなことです。
 スーパーに溢れる食料、従来と変わらない仕事と給料、普通に使える電気やネット、水道、などは、確保できるならした方がいいに決まっています。
 そのうえで、そういう生活を維持するために前線での戦闘のためにできる限りの兵器を集め、死亡したり負傷した兵士、民間人、遺族にできる限りの保障をして復興を進める、というのが、政府の担う非常に困難な役割です。
ウクライナ東部のバフムトは軍事的には要衝でありながら、決して巨大な都市ではありません。今、このバフムトに10万人以上の兵士が両軍から押し寄せて戦闘が行われています。この数字を聞いただけでも戦慄が走ってしまいます。一方の首都キーウ。街の様子は戦時中とは思えないほど、平穏そのものだといいます。

プーチンが戦っているのは、間違いなく20世紀、もしくは19世紀の古典的な戦争です。しかしウクライナの多くの人々は高度なテクノロジーを駆使して生活を維持し、戦後を見据えるスタートアップもたくさんあります。

今回、ウクライナにいる人達を20人以上、取材することができました。彼らの心は戦争とともにどう揺れ動いたのか。そしてどうやって、ビジネスを続けているのか。戦時下のリアルな「ウォー・ライフ・バランス」に迫る、総力取材動画をお届けします。
戦下での日常生活やビジネスのリアルを知りたいと思い、今回、ウクライナの人たちをたくさん取材しました。

まず驚いたのは、「日本のメディアの取材依頼だし、どうせ返事をくれる会社は少ないだろう…」と思っていましたが、ほぼ全員が快く受けてくれたこと。それだけ、世界に伝わっていないこと、伝えたいことがあるんだろうなと感じました。

そして取材をしていく中で特に印象に残ったのは、ウクライナの人々全員が、ウクライナの未来に希望を持っていたことです。同世代の起業家の女の子が、「ウクライナの未来は明るい、ウクライナに税金を納めたい、ウクライナのために働きたい」と繰り返し言っていました。(もし日本も同じ状況になった時、若者は希望を抱けるでしょうか…)

今は、多くの人が避難を余儀なくされ、スタートアップの拠点も他国に移っています。
でも、この侵攻を乗り越えた後のウクライナは本当に強いと思います。各国から帰還したインターナショナルな人材が、希望を持って政治やビジネスを動かしていく、、、彼らの表情から、明るい未来は絶対来るんだろうなと確信しました。
戦争の報道となるとどうしても最前線に注目が集まりがちですが、その裏側には人々の暮らしがあります。彼ら彼女らの言葉を通しても、(実際にそこにいない以上)その生活や心境を理解することはできませんが、そうした現実がいま存在することを知るだけでも、意味があることのように感じます。最も印象的だったのは、「戦争にも慣れる。ただ、ふとした日常会話の中で涙が溢れることがある」というコメントでした。うまく言語化できませんが、そこに人間と戦争の多くが詰まっているように感じました。
朝の移動時間にみました。話は逸れますが地下鉄はなかなかにうるさいので、字幕に助けられますね。

戦時下の辛さがわかったーーなどという安いコメントなどできようもないのですが自分なりに素直に感じたことを。

スタートアップのリスクなんて戦時下に比べれば、のような逞しい女性起業家のコメントなどに刺激をいただきました。家を買うなどもってのほか、長期のライフプランなんてものも普段いかに常識に囚われて考えていたかに気付かされました。
『たまに空爆があるが、それ以外は普通』
『空爆と空爆の間にレストランや映画行く』
『空爆を回避しながら起業した会社を続ける』

空爆に慣れるとは恐ろしい、
しかし普段の習慣、日常を維持することが、戦争という狂気の沙汰で正気を保つ術である。

正気と狂気、日常と異常を行き来するレポートでした。
ウクライナの生の声が聴けてすごくリアリティーのある内容でした。
インタビューに答えられない、答えたくない人もいて、彼らが全てではないと思います。ただ、一部の人々だとしても、インタビューを聞いてると戦時中でもポジティブで力強い生き様が印象的で、改めて「平和」の尊さを感じると共にその影響を食い止めることに貢献したいと思いました。

オリジナル番組ラインナップ

音声番組ラインナップ