仮想通貨取引所Zaifでシステム障害、金融庁の登録初日に
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注目のコメント
個別事例の話とは別に、仮想通貨交換所のシステムの安定性を何処まで求めるかは悩ましい問題だ。例えば、ネット銀行は店舗を持たないから、システムダウンすれば全ての営業が止まってしまう。24/7で営業しているとはいえ、その安定性には高いものが求められてきた。仮想通貨交換所は、顧客の仮想通貨を預かっており、そのシステムがダウンすれば顧客は自分の仮想通貨の売買ができなくなる。その意味では、ネット銀行並みに安定性が求められるとも言える。むしろ、相場が動く商品を扱っている以上、投資家の収益機会を奪うといった視点もあって、ネット銀行以上に安定性が必要という考え方もある。
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他方、仮想通貨交換所の多くがベンチャー企業によって運営されていることや、仮想通貨によっては利用者が自衛策を講じられることなどを考えて、過剰に安定性を求めるべきではないという考え方もある。新規事業の育成と、投資家/消費者保護のどちらを優先するべきかという、よくあるトレードオフ論議だ。
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ベンチャー企業だから投資家/消費者保護を軽んじていいということにはならないが、技術自体が安定していない現状では、求められる水準はやはり異なるのではないか。将来的には、レベルプレイイングフィールドであることは必要になるが、仮想通貨投資家が、十分にリスクを意識して投資しているのであれば、システムの安定性が失われることも考慮して行動しているとも期待できる。例えば、複数の交換所に分散させている投資家も多いだろう。そうした取り組みや企業間競争の帰趨を見極めるべき時期かもしれない。登録事業者なんだから、せめてFX取引と同様の態勢整備が求められるところ。システム障害発生時のバックアップ、受注体制、約定の訂正・取消等々、FXではある程度求められるものは決まっているし、仮想通貨だからといって特別扱いして大目に見てよい理由はないだろう。