(Bloomberg) -- ソフトバンクグループの孫正義社長は6日(現地時間)、ニューヨークでトランプ次期米大統領と面会する。事情を知る関係者1人が明らかにした。

関係者によると、今回の面談に特定の議題はないが、孫氏は米国への投資家としてトランプ氏と会うことを望んでいるという。ソフトバンクは米携帯電話会社のスプリントを買収し、経営再建にあたっている。また同社が組成している1000億ドル(約10兆円)規模のテクノロジーファンドの資金の一部を米国に投入する可能性があるという。

孫氏は、2013年のスプリントの買収後、同業のTモバイルUSも傘下に収めようとしたが、オバマ政権下の規制当局が難色を示し、断念した経緯がある。孫氏の当初の計画では、スプリントとTモバイルを合併して規模を拡大し、他社に対抗することを考えていた。政権交代によって方針が変わり買収が承認されれば、米市場の攻略を有利に進めることが可能だ。

「トランプ氏の意向次第では、Tモバイルの買収が進む可能性がある」とミョウジョウ・アセット・マネジメントの菊池真最高経営責任者(CEO)は述べた。今回の面会の意図については「トランプ氏の考えを探りに行く狙いがある」と推測し、買収が承認されれば「ソフトバンクとスプリントにとってはポジティブ」だと指摘した。

トランプ氏と孫氏の面会が報じられると、株価は一時、前日比2.5%高の6975円まで買われた。ソフトバンクからコメントは得られていない。

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